ご好評につき、「プレミアムローストコーヒー」1杯無料提供キャンペーンを午後6時~7時に実施!関東圏(8/28~9/3)・全国(9/11~17)にて展開。
上記はマクドナルドのプレミアムローストコーヒーのキャンペーンです。プレスリリースによると、マクドナルドのコーヒーSサイズを無料でふるまうという何とも太っ腹なキャンペーンです。
しかし、昔から言います。タダより高いものは無いと!そこで少し考えてみました。無料になる前の価格は1杯100円(~120円)のコーヒーです。そのためマクドナルドから得られる価値は暫定的に100円とします。
仮に、このキャンペーンを目的にマクドナルドに足を運んだとしましょう。コーヒー下さい!といえば100円分の価値を無料で得られる事が出来ます。しかし、物理的に移動しなければならないので、そこにはコストが生じています。例えば、マクドナルドがすぐ近くにあるわけではありません。そこに行くまでの移動コストや時間を消費するかもしれません。このコストは100円以上の価値がある場合もありますね。これは決して合理的ではありません。
また、人によってはコーヒーを一杯だけもらうのはなんとなく気恥ずかしいかもしれません。ついついハンバーガーを一個注文するかも知れません。まさに思うつぼ。
また普段、マクドナルドでコーヒーを飲まない方がこれをきっかけに飲むようになるかもしれません。マクドナルドは僅か100円のコストで生涯飲み続ける顧客を獲得するかもしれません。
無料!とつけば思わずもらいたくなる。コーヒーが本当に飲みたい分けではないのに、ついつい頼んでしまう。無料のチカラ、何故にこんなに人の心をそそるのでしょうか?人は無料!となると、実に不合理な判断を取るものです。
アマゾンは、一定額以上の書籍を購入すると送料を無料にするサービスを開始して売り上げを増大する事に成功しました。例えば日本では1500円以上の注文で無料になります。しかし、次のようなからくりがあります。もし、1400円の本の購入を決めた人がいたら、無料にするために1000円の本を追加するかもしれません。
この時の消費者の発想は、どうせ読むから合理的な判断だよね!と自分に言い聞かせます。でも実際は、1400円の書籍と送料300円程度を払った方が経済的にはお得です。追加で買った1000円の本は本来購入を決めていなかったからです。
以前、車の広告に新車を購入したら3年間オイル交換無料!と書いたチラシを目にした事があります。これも恐ろしく魅力的に見えますが、実際には大したバリューは有りません。オイル交換を1万5千キロに1回するとして、1回にかかる費用は7000円くらいです。年間に1万5千キロ走る人は、3年間で2万1千円の費用になります。
車1台の価格に比較するとこの価格は誤差範囲ですよね。それでも3年間無料!と聞くとものすごく得をした気分になります。
マーケティングにおいて無料!はものすごいパワーを持つのです。ですから、無料!と着いたら冷静に考える事をお勧めします。