早嶋です。
小田原で戦略立案の研修でした。参加者の皆さん、お疲れ様でした!
研修を終えて、東京に移動。その足でファシリテーションのトレーニングでした。定期的に自身のファシリテーションの仕方を他者から見ていただくことにより、普段のクセや盲点を更に改善することができます。
継続的な学習やトレーニングは、自身の成長にとても有効ですね。
早嶋です。
小田原で戦略立案の研修でした。参加者の皆さん、お疲れ様でした!
研修を終えて、東京に移動。その足でファシリテーションのトレーニングでした。定期的に自身のファシリテーションの仕方を他者から見ていただくことにより、普段のクセや盲点を更に改善することができます。
継続的な学習やトレーニングは、自身の成長にとても有効ですね。
早嶋です。
昨日の夜、福岡から仙台に移動。本日は仙台にある富士フィルムさんの工場で終日、企業戦略立案のワークショップでした。参加者の皆様、お疲れ様でした。そして現在、小田原に向けて移動中です。
ボルボ。
皆さん、どのうなイメージを抱きますか?多くの方が、「安全」というキーワードを思い浮かべたことでしょう。そう、ボルボは安全にフォーカスしたブランドです。フォーカスを狭めることで、ブランドに対する信頼性を得ることに成功しています。
マーケティングでは、あるセグメントにおいて自社の特徴付けを行う一連の作業をポジショニングといいます。そして、ボルボはその車の位置付けを安全という印象を提供することによってブランドを確立してきています。
心理学の言葉でハロー効果という概念があります。頭の良い出来杉君(ドラえもんの登場人物)は、運動も顔も、全てにおいて万能です、というイメージがありますね。外見のいい人は、他の好ましい資質がたくさんあるとみなされる傾向があるように、一つの秀でた特徴によって、他の関連のない特徴も際立って良く見える効果です。
ボルボの自動車が安全面で優れているのであれば、きっと信頼できる車に違いない。そして、きっと燃費がいいだろう。安全というポジショニングを確立していることで、消費者にとって好ましい特徴をもつ車だと認知されているのです。実際は、異なるかも知れませんが、それが一般的な消費者の抱く感覚です。
ポジショニングは人間の知覚を考えると、その有用性を説明できます。人は物事の判断の多くを知覚によって行うと考えられています。平均的な人は、人の心の中で形成される印象を全て現実のようにとらえます。もちろん、実際は知覚なのです。
その意味では、ポジショニングは人の知覚を形成するための一つの手法と考えることもできます。みのもんたさんが発言した内容、新聞に記載された内容、マスコミが報道した内容。人はすべてを信じる傾向があります。事実関係とは一切無関係に。
全ては知覚が作用しています。企業が万能の商品を提供できるとしても、人々はそれぞれの商品について強い近くを抱かないかも知れません。しかし、その企業がある商品のスペシャリストであったとしたら、きっと専門の企業だから商品も良いだろう、と思うのです。これって、有利ですよね。アールマイティというよりも何かに特化したポジションの方が有利なのです。
ポジショニングの概念を確立したアル・リース氏は上記の説明を一般開業医と専門医として話しています。
例えば、一般開業医と専門医ではどちらがいいですか?という問いに対して、きっと専門医と答えるでしょう。心臓の専門医は心臓のことについてより多くのことを知っておく必要があります。心臓の専門医として開業した人は、心臓についてより多くの知識と経験を持っている!と考えられるでしょう。そのドクターが初めて開業したとしても。
ポジショニングで重要なことは、消費者のどの部分で知覚を得るか?ということです。ボルボが安全という部分で知覚を得ているように。現実の部分ではない場合もあるのです。米国道路安全保険協会が車のテストを行い、現在入手可能な安全な車10台を選びました。なんと、ボルボはその中に1台も含まれていなかったのです。しかし、この事実は人々の知覚を変えることはありません。ボルボは安全な車だと知覚したままです。
皆さんの会社で主力的に販売している製品・サービスのポジショニングは何で確立していますか?あるいは、確立しようとしてますか?そして、その部分はお客さんの心の中で知覚されていますか?
早嶋です。
電動アシスト+三輪車=軽car。軽car(カルカー)。運送業界の救世主です。この写真のような三輪車を街中で見たことありませんか?そう、この三輪車こそ中村輪業が手掛ける軽carです。
中村輪業は、屋台やリヤカーなど、特殊自転車を手掛ける自転車屋さんでした。中村輪業を大きくして、地元の自転車屋さんや地元に雇用を創出したい!2代目の社長に就任した中村耕一さんは会社の使命を明らかにしました。
そこで、自社の強みを活かして世の中にどのように役に立てる事が出来るか?様々に思考をした結果、道路交通法の改正に着目します。路上駐車が厳しくなる。これまで、台車を提供している運送業界は法改正によって、路駐して荷物を運ぶことが難しくなる。戦後、日本で活躍していた三輪車が活躍するのではないか?
しかし、50kgから100kgもの荷物を台車で運ぶ運送業界。従来の三輪自転車では強度もパワーも足りない。うーん、と閃いたのが軽carのコンセプトです。
実際、軽carをビジネス化するまでには、問題が山積していました。電動付き自転車で歩道を走ることは法的に問題ないのか?強度を確保するためにはどのような工夫があるか?全く販売チャネルがない地方の自転車メーカーが運送業界にどのようにアプローチするのか?もし、アプローチできたとしても、どのように生産体制とサービス体制を構築するのか?
軽carのビジネス展開には都度、大きな問題がありましたが、着実に解決策を見つけては実行する。そして、うまくいかない場合は原因を検証して新しい視点で取り組んでみる。そうして軽cacrは運送業界のデファクトとなりつつあります。
表題のMade in Nagasaki。中村さんの使命でもある、地元に雇用を創出するために、最終工程は長崎で完結しています。そして、全ての軽carにはMade in Nagasakiの印が刻まれています。
中村輪業の軽car、佐川急便、クロネコヤマト、郵便局、その他、意外な企業で導入されています。
早嶋です。
かもも13号・3号車6番C席。これから長崎ですが、ミスをしました。
長崎市内で打ち合わせのつもりでしたが、実際はクライアントの会社でした。10時のバスで12時に長崎、13時から市内で打ち合わせの予定でしたが、10時の電車で諫早へ、駅でピックアップして頂きクライアントの会社へ。
結果的には間に合いますが、気を引き締めます。
小事は大事。小事を軽んずるなかれ。千里の堤も蟻の穴から。大船も小穴から沈む。です。
早嶋です。
今週は、福岡、仙台、小田原、東京、福岡と移動続き、各地で戦略立案の研修があります。今週も張り切っていきましょう!
早嶋です。
マーケティングに秀でた企業と落ち目の企業。ブログ「顧客志向のトレーニング」でコメントしていますが、マーケティングに秀でた企業は実に世の中の変化をよく観察しています。
そのために革新を生み出し、新製品を世の中に送り出し、継続的に学習しています。イノベーションを生み出しビジネスに結び付けていくために継続的な投資を続けている理由は、世の中が絶えず変化しているからでしょう。企業がイノベーションに投資しないでいると、やがて衰退に向かいます。これは、世の中の変化についていけなくなるからです。
企業のイノベーションをうまくビジネスに結び付けている企業は、絶えず世の中の変化から困っている人を探しています。そして、それを自社の強みで解決するとしたらどのようなことができるのか?と常に疑問を持っています。
このような視点で見ることによって、ターゲット顧客のニーズを的確捉えることができます。従って、企業活動も散々することなく的を絞った活動が行えるのです。
イノベーションをうまくビジネスに結び付けている企業の2つ目の特徴にステージゲートモデルの採用があります。これは、企業にとって魅力的なアイデアをどのタイミングで投資し、どの段階であきらめるか、あるいはアイデアを不採用にするかという意思決定を効果効率的に行う一つの手法です。
早い段階で見込みの無いアイデアをふるいに落とし、ビジネスにつながるすぐれたアイデアを開発段階に進めます。すぐれたアイデアの開発のゴーサインを出しても、常にフィードバックを継続的に行い、検証を行いながら注意深く進めます。適宜、フィードバックを行いながら商品開発を進めるため、企業は新しいチャンスの発見や課題の克服に取り組むことが可能になります。
一方、マーケティングに落ち目の企業は、世の中の変化に鈍感です。新しい技術や人々のライフスタイルの変化、競合動向に鈍感です。世の中を騒がせているビックスリーは、短期的な利益の追従に追われ、世の中が求めているエコというキーワードを完全に無視してきました。これは、過度に利益の追求を求める株主にも責任があると思いますが、GMにしてもフォードにしても随分と悠長に構えていた感があります。
ピータードラッカーは、企業の成果は常に外にあると言いました。しかし、企業規模が大きくなればなるほど、自分たちの商材に自信があればある程、企業は内側を向いてしまいます。はじめは、果敢に挑戦し外の世界の変化を取り入れる努力を続けますが、いつしか組織が肥大化して官僚的になります。
フィリップコトラーは、この様子をマーケティングに落ち目の企業は、窓の外へ目を向けるのではなく、窓に映った自分たちの姿しか見ていない、と言いました。
企業は、絶えず学ぶ必要がある。高成長の企業や、高い利益を獲得している企業、世間から賞賛される企業、そんな企業がどのようなマーケティングを行っているのか学んでいくことが大切だと感じます。
早嶋です。
マーケティングの仕事の依頼を受けた場合、はじめどのようなことを行いますか?という質問をセミナーで受けたことがあります。
様々な視点でクライアントに質問していますが、大きく以下のようなことは欠かさず聞いていると思います。
まず、クライアントに頼むことは、その会社にとっての顧客セグメントをヒアリングします。顧客をセグメント分けしていない場合は、マーケティングという概念が販売やプロモーションという位置つけになっている場合が多いです。
もし、顧客セグメントを分類していれば、そのリストを見せてもらいます。あるいは作成します。それから顧客セグメントごとのアプローチ方法を調べます。多くの場合は、セグメントを分けていますが、アプローチの仕方はほとんど同じ。もしくは、アプローチの仕方が体系化されていない場合が多いです。つまり、営業パーソン任せ。
また、顧客セグメントの優先順位も聞き出し、ある場合はその基準を調査します。優先順位が不明確な場合は、時間に追われるだけで成果を出していない非効率な企業が多いです。
更に、顧客セグメントに対して、調査した資料等をすべて見せてもらいます。調査した資料が2年以上前のものであれば、多くの場合役にたたず参考程度にしか見ません。昨今の顧客の変化や市場の変化は中小企業と言えども著しいからです。
そして、最後にマーケティングプランやシナリオを見せてもらいます。あるいは話してもらいます。
多くの場合、定性的な内容であったり、直観的な内容であったりする部分があります。つまり、プランやシナリオに対してデータが不十分であったり目標が不明確であったりします。戦略がなく、戦術の羅列が多い時もあります。これは、マーケティングのシナリオがかなり短期的かつ直観に基づいて行われる傾向があることを感じます。
中小企業に対して、上記のようなことを求めるのはオーバースペック?と思われるかもしれませんが、企業規模の大小にかかわらずきっちりとしたシナリオは必要です。そして、そのシナリオは答えではありません。あくまで、現在の中で一番答えに近い考え、仮設です。そのため、実行しながら検証を進めます。検証を行うからには、定量的な評価や目標の設定、業績指標の設定がとても重要です。このプランニングを行いながら、中小企業の行うべき方向を明らかにして、少ない資源を何に集中するのがベストなのか?などが明らかになります。
上記の内容は毎回行っています。
早嶋です。
マーケティングの研修を済ませ、東京に移動中です。
ある駅にある蕎麦屋さんの話です。味も雰囲気も良いのです。しかし、注文を取りに来たり、注文してから蕎麦が出てくるのが少し遅いのです。駅というロケーションでなければ問題ないと思います。しかし、お客さんの多くは新幹線の電車待ちに利用しています。
今日も新幹線の待ち時間を利用して蕎麦が来るのを待っていました。途中、店員さんがレジで何か作業をしています。お客さんが一人、二人入って来ます。店員さん、レジの作業に夢中で来客に気付いていないのでしょう。作業を継続します。
初めに入ったお客さんは時計を2度程見ています。電車の時間を気にしているのでしょう。店員さんがやっと気づき、メニューとお茶を出します。後で入って来たお客さんは、店員がくる前に急々と店をでます。
この様子を見るのは今日だけではありません。前回も、初めて利用した時もです。多くのお客さんは時間を非常に気にしています。かたや、店員さんはのんびりしています。
蕎麦が美味しくても、雰囲気が良くても。このお蕎麦屋さんにネガティブなイメージを抱くお客さんは少しずつ増えているでしょう。駅というロケーションにおいて、お客さんはなぜ、蕎麦屋さんに入るのでしょうね。きっと、さっと食べられるイメージを持っているのではないでしょうか?
もし、急いで入ってきて、急いで食べる目的のお客さんをターゲットとしないのであれば、ゆで時間が少しかかることを事前に伝えることも必要ですね。蕎麦屋さんの商品を蕎麦の味だけと捉えていれば、改善されないでしょう。
早嶋です。
これから東京です、明日は富士フィルムさんでマーケティングの研修です。
年末年始、母の買い物についていきました。牛乳、豚肉、食パン、・・・と日用食品をかごに入れていくのですが、棚に行っても迷うことなく各々の商品をかごに入れていました。
牛乳コーナーに行って、明治のおいしい牛乳を手に取って、次の売り場に行く。ものの2秒ほどで商品を選んでかごに入れています。母の頭の中で商品の判断は合理的に行われているのでしょうか?
例えば、牛乳。昔は青いパッケージのスノーブランドを選択していました。しかし、不祥事が起きたころから、母の中で毒印牛乳というレッテルを張り、別の牛乳を選ぶようになります。しばらくすると、今度は赤いパッケージのメグミルクです。ある期間はメグミルクを購入していたようですが、メグミルクは日本ミルクコミュニティが雪印乳業の市乳部門から独立した会社ということを認識したのでしょう。急に赤いパッケージを避けるようになります。そしてまた、色々な牛乳を購入します。そして現在、明治のおいしい牛乳に落ち着いているのです。
母が牛乳を選ぶ時、これまでの牛乳の変遷を考えながら、ああでもない、こうでもないと、頭の中でぶつぶつ考えているのでしょう。と言っても、声に出すことはありません。無意識というよりは瞬時においしい牛乳を選んでいます。脳が作り出した瞬間のショートカットを利用して購入の判断をしているのです。
母に選択の理由を尋ねても、おいしいから、なんとなく、などの理由が帰ってきます。しかし、確実にこれまでの購入経験から構築された商品のイメージや印象によって購買の意思決定を行っているのです。もっといえば意識していないのです。
つらつらと脳の一連のショートカットについてコメントしましたが、これ、ソマティック・マーカーと呼ばれています。上記の例のように購入の判断を行うとき、脳は膨大な量の記憶や事実、感情を引き出しては分析し、瞬時に反応するのです。そして、このショートカットによって、ありとあらゆる事象を瞬時に判断し、購入する商品を決定してかごに入れるのです。この分野に詳しい研究者の話によれば、買い物による購入判断の半分以上は、店頭で瞬時に、しかも無意識に行われるといいます。
幼いころ、石油ストーブの天盤を無意識に触ったことがあります。あつ!指先を火傷しました。と言っても、30分も経たない内にけろりとして、玩具で遊ぶことに熱中します。しかし、脳には記録されています。
脳のニューロンは、石油ストーブ、天盤、熱い、やけど、・・・と概念を関連付けています。そして、この関連付けがソマティック・マーカーなのです。脳のしおりとかショートカット。報酬といったポジティブな要素や、罰則といったネガティブな要素などの過去の体験により、マーカーは経験や感情を具体的な反応に結びつけるといいます。
なんとなーく行ってきた判断も直感というより、このソマティック・マーカーによるものだと説明できるのです。そして、人間の脳は日々、このマーカーを作りだし、すでに存在している膨大なマーカーの集まりにせっせと情報を蓄えているのです。
購買の意思決定がソマティック・マーカーに起こるのであれば、マーケターは考えます。ソマティック・マーカーを意図的に作って自社製品を購入してもらうことができるのでは?と。
ニューロマーケティングという分野では脳科学の研究成果をマーケティングに取り入れて売上の仕組み作りを構築する、ということを行っています。
早嶋です。
『禁煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。免疫学的な統計によると、喫煙者は心筋梗塞により死亡する危険性が非喫煙者に比べて約1.7倍高くなります。』
タバコの箱の正面には、このような文面がパッケージの半分くらいから1/3を占めています。他にも、健康上の警告として、『タバコは致死的な肺がんの原因につながります』とか、『妊娠中の喫煙は胎児の先天異常につながります』などと、単刀直入なメッセージが記されています。
禁煙者にしてみれば、このパッケージの警告文章は、きっと大半のスモーカーが禁煙を行うだろう!と考えると思いますが実際は全くの逆効果を招いていることが脳の研究で分かったそうです。
喫煙者がタバコのパッケージの警告文を読むと、禁煙を促す行動に出るどころか、欲望のスポットとも呼ばれるスモーカーの側坐核と呼ばれる脳の領域を刺激していたのです。この側坐核は、人体がアルコール、麻薬、たばこ、セックス、ギャンブルなどを欲する時に活性化する特殊な領域です。
そう、禁煙を呼びかけるはずの文面は、タバコの抑止効果がないばかりか、逆に側坐核を活性化して喫煙を抑制しているのです。つまり、タバコメーカーにとって格好のマーケティングツールだったのです。