早嶋です。
マーケティングに秀でた企業と落ち目の企業。ブログ「顧客志向のトレーニング」でコメントしていますが、マーケティングに秀でた企業は実に世の中の変化をよく観察しています。
そのために革新を生み出し、新製品を世の中に送り出し、継続的に学習しています。イノベーションを生み出しビジネスに結び付けていくために継続的な投資を続けている理由は、世の中が絶えず変化しているからでしょう。企業がイノベーションに投資しないでいると、やがて衰退に向かいます。これは、世の中の変化についていけなくなるからです。
企業のイノベーションをうまくビジネスに結び付けている企業は、絶えず世の中の変化から困っている人を探しています。そして、それを自社の強みで解決するとしたらどのようなことができるのか?と常に疑問を持っています。
このような視点で見ることによって、ターゲット顧客のニーズを的確捉えることができます。従って、企業活動も散々することなく的を絞った活動が行えるのです。
イノベーションをうまくビジネスに結び付けている企業の2つ目の特徴にステージゲートモデルの採用があります。これは、企業にとって魅力的なアイデアをどのタイミングで投資し、どの段階であきらめるか、あるいはアイデアを不採用にするかという意思決定を効果効率的に行う一つの手法です。
早い段階で見込みの無いアイデアをふるいに落とし、ビジネスにつながるすぐれたアイデアを開発段階に進めます。すぐれたアイデアの開発のゴーサインを出しても、常にフィードバックを継続的に行い、検証を行いながら注意深く進めます。適宜、フィードバックを行いながら商品開発を進めるため、企業は新しいチャンスの発見や課題の克服に取り組むことが可能になります。
一方、マーケティングに落ち目の企業は、世の中の変化に鈍感です。新しい技術や人々のライフスタイルの変化、競合動向に鈍感です。世の中を騒がせているビックスリーは、短期的な利益の追従に追われ、世の中が求めているエコというキーワードを完全に無視してきました。これは、過度に利益の追求を求める株主にも責任があると思いますが、GMにしてもフォードにしても随分と悠長に構えていた感があります。
ピータードラッカーは、企業の成果は常に外にあると言いました。しかし、企業規模が大きくなればなるほど、自分たちの商材に自信があればある程、企業は内側を向いてしまいます。はじめは、果敢に挑戦し外の世界の変化を取り入れる努力を続けますが、いつしか組織が肥大化して官僚的になります。
フィリップコトラーは、この様子をマーケティングに落ち目の企業は、窓の外へ目を向けるのではなく、窓に映った自分たちの姿しか見ていない、と言いました。
企業は、絶えず学ぶ必要がある。高成長の企業や、高い利益を獲得している企業、世間から賞賛される企業、そんな企業がどのようなマーケティングを行っているのか学んでいくことが大切だと感じます。