早嶋です。
先日のNHKスペシャルで「カイテンズシ戦争 ~寿司 vs Sushi~」が放映されていました。日本で生まれた回転寿司が世界各地でブームを呼んでいるのです。興味深かったので紹介します。ブームを仕掛けているのが日本から世界に進出している大手チェーン元気寿司。対して海外資本の大手チェーンYo!sushiが英国から対抗しています。まさに寿司とSushiの戦い。
元気寿司は東証一部に上場する回転寿司レストランを経営する日本の会社で、東日本を中心に日本、米国ハワイ州、シンガポール、マレーシア、台湾、香港などで「元気寿司(準低価格のお店)」「すしおんど(100円均一の低価格のお店)」「千両(中級価格の回転寿司)」などの店を展開しています。回転寿司で価格別に皿の色を買えて明瞭会計を開発したのもこの会社です。
内外250店舗の元気寿司は、魚を格安で調達するネットワークや効率的なオペレーションを確立し、世界で寿司のマクドナルドになろうと野望を燃やしています。
英国のYo!sushiは、いわゆる日本の寿司とは見た目も味も違うSUSHIを武器に欧州、中東を攻め、世界制覇を狙っています。Yo!sushiについて、ロンドンで働いている友人にチャットをしながら聞いて見ました。
Yo!sushiのシステムは、いわゆる日本の回転寿司と同じ。ベルトコンベアーの上をスシ・トレーが流れています。違いは、ベルトコンベアー。日本では1レーンの一方通行ですが、Yo!sushiでは2レーンあって、双方向からsushiが流れてくるそうです。
価格のつけ方は同じで、値段によって皿の色がわかれています。安い皿から1.5ポンド、高い皿で5ポンド。為替の影響もありますが、日本の回転寿司より割高だと思います。
Yo!sushiのメニューは大きく分けて3つ。nigiri、sashimi、makiです。握り、刺身、巻き、立派に英語になっているようです。シャリは寿司ロボットが握り、アジアンテーストな大将が魚を切る。しかし、違いがあります。sushi自体が日本にありません。メニューを見ると分かるのですが、独創的創造的なsushiのオンパレードです。
他に違いといえば、無料のお茶がYo!sushiでは有料で1ポンド。しかし、日本のお湯を注ぐ給水機のようなものがあり、ここからは水か発砲水(sparkling water)が出てくるそうです。こちらは無料。
ちなみに、味についての友人のコメントは「日本人の味覚にあわない」そうです。おっ、では寿司とSushiの戦いは、やはり寿司に軍配が上がるのか?と考えましたが、Sushi自体がすでに英国初の食文化になっているような気がします。
中国には麺文化がありますが、日本ではラーメンという独特の食が定着しています。インドではカレーが主食ですが、いわゆるカレーライスなどは存在しません。こちらも日本食といっていいでしょう。世界戦争になれば当然、マイノリティーよりもマスに気に入られた方が支持が増えるでしょう。
日本人好みの寿司。英国人好みのsushi。気になる戦いです。いずれにせよ、これまで以上に海鮮食を好む人種が増えることは必須。水産資源の枯渇はますます進むでしょうね。