早嶋です。
M&A。Mergers and Acquisitionsの略称で合併と買収をさす言葉。皆さん、この言葉を聞いて何をイメージしますか?大企業?外資系?ビックマネー?いろいろと想像が膨らむと思います。お茶の間に浸透したのはニッポン放送株をめぐるライブドアとフジテレビの問題ぐらいからでしょう。紙面上でよく見かけるようになりましたね。
新しい事業分野へ進出しようとする場合、すでにその分野で活躍している企業を修得することで多角化を図ることができます。また、同分野の事業を短期間で大きくしたい場合、同分野の事業を吸収していくことにより、売上と利益を共に伸ばすことも可能です。
うーん、やはり、企業規模が大きい間での話のように聞こえますか?しかし、今後M&Aは大企業よりも寧ろ中小企業の間でより盛んに、そして当たり前のビジネス手法として導入されると思います。
では、実際のM&A はどの程度行われているのでよう。国内でのM&Aの実態は、大・小規模を合わせて90年に754件程度でピークとなり、93年に397件と底をつきます。それから件数の推移は右肩上がりになり、2000年で1635件、05年では2725件となっています(自社調べ)。
ただし、こちらのデータは新聞などに公開された案件で、中小企業の未公表分のM&Aを含めると年間4000件程度の規模で行われているのが実情でしょう。そして、年間4000件のおよそ7割が中小企業の事業継承を解決する目的で行われるM&Aです。また、大手企業を含めても99%は友好的なM&Aが成立しています。
ですので、紙面を騒がせる敵対的M&Aは実際はわずかで、年間に10件弱、しかも大半が成立していません。紙面が騒がせるM&Aは、世の中で行われているM&Aの実態とかけ離れているのです。今後、中小企業の間でM&Aが盛んに行われると考える理由は「後継者問題」「業界の将来に対する不安」を解消するための1つの手法として明るいからです。
では、実際に行われている、或いはこれから頻発するであろうM&Aの規模、すなわち売買額はどの程度になるのでしょうか?また、そのプレーヤーは誰が行うのでしょうか?
まず、いわゆるM&Aのイメージが浸透している大型の案件、紙面が騒ぐ案件は売買額が10億円以上です。これらを手掛けるプレーヤーとしては、証券会社、投資銀行などです。そして、ミドルクラスの売買額1億円から10億円規模は、M&Aブティックや税理士、会計士などが手掛けています。
そして、1億円を切る市場。実際の中小企業のM&Aとして最も多くは、この層になります。1億円以下といってもボリュームゾーンは売買額が2000万円前後。このクラスになれば、飲食店や理容室・美容室、エステサロン、接骨院、花屋さん、と身近にビジネスをされている企業になります。では、誰がプレーヤーなのか?実は、明確なプレーヤーが存在していません。
M&Aを手掛けるプレーヤーのビジネスモデルは売買額に応じた手数料。つまり、売買額が大きいほうがプレーヤーに入る収入も大きくなります。M&Aにかかる手間は、大きな流れで行けば、大も小も同じプロセスです。そう、必然的にM&Aを手掛けるプレーヤーは売買規模が大きいほうに目が行くため、1億円を切るセグメント、しかも2000万円前後の市場は隙間があいていることになります。ましてや関東では別ですが、九州では中小企業におけるM&Aの概念すら普及していません。
これはビジネスチャンスです。ということで、ビズ・ナビ&カンパニーで培った中小企業の経営コンサルのノウハウとビザインで行っている中小企業のブランディングを活かして何かできないか?ということで、去年の半ばよりビジネスモデルを構築中です。こちらのお話は、おいおい機会を見ながらコメントします。