早嶋です。
-日経新聞08年12月25日記事抜粋-
任天堂は2009年春に電通と共同で、据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」にアニメなどの映像番組を配信するサービスを開始する。企業の広告を同時配信したり、有料番組を用意するなどで収益を確保する。Wiiは世界で4000万台以上が普及している。任天堂は家庭向けの情報提供媒体としての活用が可能とみており、番組配信をゲームに次ぐ新規事業に育てる考えだ。
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Wiiに関しては、ブログ「Wii」「wii②」でもコメントしていますが、今回はブログ「みんなで投票チャネル」にからめてコメントします。
Wii、はじめたか!という感じです。「みんなで投票チャネル」でもコメントしましたが、Wiiがマーケティング・ツールとしての可能性を秘めているのは、1)ネットワークにつながっていること、2)世界中に4000万台以上普及していること、3)アバターの存在、です。
Wiiで遊ぶ人は、アバターに相当するMiiを登録します。通常の心理としてアバターは自分に類似した特徴を登録するでしょう。つまり、任天堂はWiiを使用しているユーザーの属性をほぼ把握していることになります。もちろん、複数人でWiiを利用する場合は、ユーザーごとにMiiを登録できるので、家族の属性まで手に入るというわけです。
そこで、今回のWii番組・広告配信の記事に目を向けてみましょう。Wiiにアニメなどの映像番組の配信と広告を同時に配信する仕組みです。任天堂は、Miiを通してWiiのユーザー属性を手に入れているので、どの番組がどの属性に人気か?不人気か?など、番組制作会社にレポートを提供することが可能です。また、企業の広告も、属性を指定して企業のターゲットになりそうなWiiユーザーに向けて広告配信が可能です。
つまり、これまでの数による広告配信サービスに、ターゲットを明らかにして、そのターゲットを選択して広告を配信するビジネスが可能になるのです。と思います。となると、任天堂としては、従来の広告料よりもターゲットを明らかにしているため高く徴収することが可能になるのです。
今回の番組・広告配信は任天堂と電通のダブルネームですが、インターネットの普及によってテレビ広告の収入が落ちている電通。任天堂とがっしりと手を組んでおかなければ、将来の競合を育てることにだって繋がるかも知れません。電通にとって、大きなビジネスチャンスでもありますが、傍から見てると将来の競争相手のお手伝いをしているようにも感じます。
ちなみに、姪っ子と甥っ子の今年のクリスマスプレゼントはWiiでした。