早嶋です。
昨日の続きで、佐々氏の講演内容に関してコメントです。
講演の中で度々協調していたことがもう一つありました。それは、「全責任我に有り」です。コンプライアンスの処理に対しての最善の策だと話されていました。
事実であれば非を認めなさいということです。そして、できる限り早い段階で誤りを認めるのです。「いや、それは部下がやったことで、私には責任は無い・・・」などと組織のトップがとったらどうでしょう。ちょっとしたことであっても社会的に徹底的に追及されてしまうかもしれません。それよりも、「全責任我に有り」と認めて謝るのです。
もちろん、開き直るという意味ではありません。責任を取るために事実関係を把握して対策を考え対策を打つ。そして、迷惑をかけた方々にはトップとして釈明して態度を表明する。やめろ!といわれても、経営者は「やめません」と言えばいい。私の仕事は上記の内容を行ってから私で決めます、あるいは、株主総会で採決されることです、と。理にかなっていますね。
佐々氏はコンプライアンスの違約として「ありとあらゆる組織に対する有害な行為から組織を守ること」と表現されていました。法令遵守の表現では勘違いをおこすからです。そして、「全責任我に有り」はまさにそれを具現化する方法です。
そう、これは中国禅界の巨匠である雲門文偃(うんもんぶんえん)から来ています。すなわち、どんなに大力量の人であっても風邪を引けば倒れる、と。組織のトップの人間は組織のボトムにいる人間が風邪を引けば倒れると。つまり、部下の如何によってはどのような力量を持っている経営者といえども倒れることがある。従って、「すべて私の責任です。お詫び申し上げます。」が必要になるのです。堂々と謝ることで先を見るのです。
一国の安全を守り続けた佐々氏の講演、非常に学びが多いものでした。