早嶋です。
先日、タバコ屋さんでの出来事。知り合いがタバコを購入するときにタスポを出すのがメンドクサイから直接店頭で買っているという話しをしていました。そのタバコ屋さんに聞いてみました。
タバコ屋さん曰く「タスポの導入が始まってから自動販売機よりも店頭購入の割合が多くなったね」と。どうやら本当みたいですね。実際、そのタバコ屋さんの店頭には4台のタバコ自動販売機が設置されていますが、タスポの導入とともに、自動販売機のタバコの補給回数が減っていると。
これに関連する情報として、大手コンビニ3社が過去最高益を出したニュースは記憶に新しいですね。この場合は、タバコの売上増加も増益の理由の1つとして報道されていました。自動販売機でタバコを購入していた人がコンビニに流れているのですね。
そもそも、タスポ。未成年者の喫煙防止の取り組みの一環として始まった制度です。従来の自動販売機では、年齢に関係なく誰でも購入できるので認証制度を設けよう!というもの。しかし、普及が始まってからタバコの自動販売機は24時間稼動することになります。
では、本来の目的は達成されたのだろうか?つまり、未成年の喫煙予防につながったのか?厚生労働省が発表している未成年の喫煙率という資料から、ざっくり毎日喫煙している未成年の喫煙率は3.5%だと仮説を立てます。これは、H16年の中1から高3までの男女のうち、毎日喫煙している人の平均値を計算した値です。統計局が発表している未成年の人口は、約2300万人。
この仮説のもと、未成年の喫煙者は、2300万人×3.5%=820万人。この人たちは、1週間で1箱程度の喫煙をすると仮定した場合、1月当たりに820万人×20本(1箱)×4週=約6.5億本になります。では、タスポの導入によって、未成年者分くらいのタバコの販売が減少したのか?
社団法人日本たばこ協会の発表資料によると、07年と比較して08年の販売本数は減少していますが、これが未成年者のぶんかは不明です。タスポの導入によって、成年者も買うのを控えているかもしれないからです。
では、タスポの効果は?1)自動販売機から路面店へのシフト(つまり従来のタバコ屋さんやコンビニなどでの販売にシフトしたこと)、2)タスポ対応の機材販売の利潤、などで、本来の目的の達成にいたっていないのではないかと考えます。