早嶋です。
エマソンという企業をご存知ですか?一般に知られている企業ではありませんが、ビジネスや経営に携わる人たちの間ではその業績の高さは一目おく存在です。また、産業材を取り扱うメーカーにとっては手ごわい競合他社かも知れません(事実、前職ではBeat Emerson All Togerther!と掲げてBEATチームという組織の中、日々エマソンの分析を行っていた時期がありました!)。
エマソンは過去44年間、1950年代中盤から2000年まで連続して増収を続け、利益額、利と株あたり利益、そして株式配当を毎年拡大してきました。この記録は恐るべきモノで世界中を見ても一握りの企業しか実現できておらず、業界で見る限りエマソン以外に存在しません。記録は2000年に途絶えましたが、依然として高い利益を上げており厳しい経営環境の中、グローバルでマーケットシェアを伸ばしています。
では、どのようにしてエマソンは上記の業績を実現し続けているのか?このこたえは、エマソンのマネジメント・プロセスにあります。マネジメント・プロセスはエマソンが妥協なき業績を上げるための鍵であり、エマソンの中で浸透する経営手法です。
マネジメント・プロセスは戦略とその実行を結びつけるもので、組織内に共通の価値観を確立して、最も重要な項目を明らかにし、活動の結果を評価し、問題を解決するためのフレームワークそのものです。まさに、エマソンがマネジメントの根底に掲げている仕組みそのものなのです。
※エマソン
ミズリー州セントルイスに本社があり、技術力とエンジニアリング力によって顧客にソリューションをするグローバル・カンパニー。同社は、ネットワーク・パワー事業、プロセス・オートメーション事業、インダストリアル・オートメーション事業、空調制御事業、家電向け製品及び工具事業を展開。全ての事業においてリーディング・ポジションを取っている。04年度ベースの売上高で156億ドル、60の事業部から構成され、世界中の245拠点において10万7400人の社員を擁す。