早嶋です。
マーケティング活動において、顧客の意見や考えを聴き出し企業が立てた仮説を検証するためにインタビューを行います。これは、顧客の購買行動やニーズを理解するうえで行動実態のみにフォーカスするのではなく、その背景や価値観、深層心理などを知りたい時に活用されます。
実際は、10名から20名程度に対象者を絞り、その対象者に対してグループになって特定のテーマについて自由に語ってもらったり、質問に様々に応えてもらうというものです。このようなインタビューを特にフォーカスグループインタビューなどと称します。
フォーカスグループインタビューにもいくつか種類があります。既存ユーザに対して行う場合、仮説上のターゲットユーザに絞って集める場合、広く意見を拾うためにランダムに人を抽出した場合、あるカテゴリーに分けて複数回に分けて行う場合、などです。
仮説に自信がある場合は想定ターゲットを集めてインタビューを行えばよいですが、自身が無い場合は様々な属性でグループを作り、数回に分けてグループインタビューを行います。ただし闇雲に回数を重ねても意味が薄れてきますのでそこはマーケターの腕の見せ所です。
最後にフォーカスグループインタビューを行うときのポイントを3つ紹介します。1)調査対象者の選定、2)進行表の作成、3)モデレーターの選定、です。
1)調査対象者の選定
調査目的を明確にして目的にあったグループを選択するのはもちろんですが、結果に偏りを生じさせないようにケアすることも必要です。
2)進行表の作成
どのような質問をするのか?どの質問がキラークエスチョンか?各質問に対してどの程度の時間を割くか?各質問をどの程度まで深堀するか?です。これら4つについて明確に指針を決めておくことが重要です。なれない場合は、事前にシミュレーションをすることをお勧めします。
3)モデレーターの選定
モデレーター、いわゆる司会進行者です。グループインタビューにおいて特に重要です。誘導尋問をするなどは当然ご法度。参加者が本音で話せるような場つくりもモデレーターの役割です。他に、質問を深めるために「はい」「いいえ」で応える質問ばかりでなく「理由」「具体的な内容」を聞くためのオープンクエスチョンを利用することなどコミュニケーションのテクニックが必修です。
フォーカスグループインタビュー、サンプル数が多いアンケートデータも重要ですが、実際に少人数に聴いてみて発見することが多々あることでしょう。