早嶋です。
データ分析の書籍を数冊読むと必ず「紙おむつとビールの伝説」が登場します。ある食品スーパーで販売データに対してデータマイニングを行ったところ、週末に買い物に来る男性は奥さんから頼まれた紙おむつを買うついでにビールを買物かごに入れるということです。そこで、紙おむつの隣にビールを配列したらぢ、どちらも売上が爆発的に伸びた!という話です。
この話の真実について調査した人がいます。その方のペーパーによれば、関連性を指摘したのはコンピューターのソフトではなく、分析を専門にするアナリストだったそうです。しかも、発見された関連性は偶然だったと。そして、特にビールと紙おむつを並べるという行動に移していないと。
とあるスーパーとは米国のドラッグ・ストアチェーンであるオスコという企業。オスコはおむつとビールを隣同士に配列したことも無ければチェーンによってはビールそのものを扱っていない店舗もありました。
当に、「紙おむつとビールの伝説」だったのです。しかし、この伝説、重要なメッセージがあります。優れた統計ソフトや分析手法によって何らかのパターンを発見したとしても最終的に判断を行うのは人間ということです。そして、その分析結果を行動につなげるのも人間ということです。
分析を企業の競争優位にするためには、データ分析をする大勢のアナリストを抱えるだけではなく、分析結果を元に実際に行動に移して実験を繰り返して、その結果を企業戦略に活用する企業なのです。つまり、実際にビールと紙おむつを隣同士に並べて見て反応を試すことが大切なのです。