早嶋です。
アンゾフの製品・市場拡大グリッド、もしくはアンゾフの成長マトリクス。新しい成長機会を模索するときに非常に強力なフレームワークです。もともと軍事用語であった戦略を経営の分野で使い、市場において競合と言う概念を持ち込んだイゴール・アンゾフの論文「戦略経営論(Strategic Management)」で紹介されたフレームワークです。
成長マトリクスは、市場と製品の互いに交差する軸に対して、それぞれ既存と新規と分けることでできる4つの象限を分類しています。既存市場において既存製品の市場シェアを伸ばすことが出来るかどうか(市場浸透)?既存製品を新しい市場で販売する事ができるだろうか(市場開拓)?既存市場において、新しい製品を開発することによって成長の機会があるだろうか(製品開発)?新市場に向けて新しい製品で勝負できるか(多角化)?
●市場浸透
既存市場で既存製品のシェアを拡大するためには、3つのアプローチがあります。
1)現在の顧客に対して、一定期間にもっと沢山買っていただくように働きかけることです。顧客がある商品に対して、そのバリューを認識していないで、かつ、そのバリューを示すことで販売を増やす出来る場合などに有効です。また、既存の顧客をファン化したり、ロイヤルカスタマーになっていただくために再度、CRMを徹底する事なども考えられます。
2)競合他社の顧客をひきつける。競合他社の製品やマーケティング活動に大きな欠点などが見つかったときに有効です。企業によっては、競合他社のネガティブキャンペーンを行って意図的に競合他社の顧客をひきつけようとするところもあります。
3)今だその商品を利用していない顧客を説得して買っていただく。ただ、普及理論で示したように既にレイドマジョリティまで浸透していれば効果は薄いと思います。
●市場開拓
既存の商品をもっと販売するためにどのように新しい市場を探すのか?
1)ポイントは、既存の市場において、製品をこよなく愛するユーザーグループを特定することです。それから、そのユーザーグループの特徴を潜在的なところで探すのです。例えば、エステをメンズに展開する、赤ちゃん用のスキンケアを女性用に展開する、プロ用のフライパンを素人に展開するなどです。
2)既存のチャネルに新たな販売チャネルを提供することも出来ます。通信販売のみの商品を実店舗で販売するなどです。既存の商品の使われ方やシーンを想定して、関連するチャネルを開拓する方法もとれます。肉屋さんに炭が置いてあったり、キャンプ道具を売る店にお肉が売られてあったり。市場を開拓する事ができるかもしれないですね。
新製品と多角化はまた後日。