早嶋です。
Putting the client intereset first.(顧客の利益を優先せよ)。これはマッキンゼー・アンド・カンパニーの価値観で、ベテランであれ新人であれ、徹底させられるそうです。世の中、顧客第一主義といっても顧客の顔は見えにくいので、大いにして自分や自社の利益に基づいた意思決定が行われているように思えます。そこを徹底的に戒めているマッキンゼーは流石だと思います。
顧客の話なると、消費財メーカでは実際に製品・サービスを利用するエンドユーザーが想像しやすいです。しかし、多くの企業は直接のエンドユーザーの間に小売企業や中間業者を介在します。そして、エンドユーザーのニーズに応えることと、中間業者のニーズに応えることが相反する場合も生じます。ただ、しかるべき策は、両方のニーズに応えるように努力することだと思います。
また、B2Bの場合、直接その製品やサービスを導入する部門が顧客になります。しかし、T・レビットが半世紀も前から唱えているように顧客の顧客についても考える事が重要です。仮に、B2Bの会社でマーケティングの概念がほぼ無い場合、顧客の顧客にまで目を配る社員は皆無に等しいと想像できます。
そのような企業では、法人の営業パーソンは相手先の直接の顧客に気に入られることのみを考え、顧客の顧客を考える事は無いでしょう。ゴルフや接待を行って仕事関係を継続する事に注力する方も多いですが、顧客の顧客を考えた場合、この行動が全く顧客の顧客のためになっていないことは一目瞭然です。
企業の末端までが顧客の顧客を考えるようになれば、業界を広がったところまで意識が広がるようになり、従来の方法を見直す、或いはイノベートするきっかけになるのではないでしょうか?そして、顧客の顧客、つまり、エンドユーザーにとって独自の価値を提供する事になるかもしれません。
真に顧客第一主義が徹底されれば突出した企業がもっと出てくることでしょう。