早嶋です。
仕事の成果は何がもたらすのか?マネジメントコントロールの3つの視点では、以下の3つのポイントを重要視しています。
1)「何をすべきか」が分かっているか?
2)「意欲のレベル」は十分に高いか?
3)「個人的な能力」は足りているか?
このポイントを見ると成果は何がもたらすか?を定義できそうです。1)の方向性は、組織目標を達成するために個人が達成すべき行動と行動目標を管理者が示す指針やベクトルです。これが前提に示された上で、2)個人の意欲レベル、3)個人の能力レベルの融合によって成果が出てきます。このように考えると、仕事の成果は次のような式で表現されると思います。
仕事の成果 = 個人の意欲レベル(モチベーション) × 個人の能力レベル
ここでのポイントは、仕事の成果がモチベーションと能力の積であることです。積で表している理由は、モチベーションがマイナスに働いた場合、能力レベルがマイナスに働いた場合、それぞれ仕事の成果がマイナスになることを示唆しています(両方ともマイナスの場合は例外としましょう)。
例えば、モチベーションがマイナスの場合、つまり個人の意欲レベルがマイナスの場合、個人の能力レベルがいくら高くても個人が成果をあげることは出来ないでしょう。さらに、組織のモチベーションまで低下するかも知れません。少なくとも、他のメンバーはいい気分ではなくなるでしょう。この場合、直接個人の成果を下げることにもつながるし、また、組織の成果を下げることにもつながるかもしれません。この点で、成果はマイナスになり得ます。
例えば、個人の能力レベルがマイナスの場合、つまりある仕事に対して能力レベルが十分で無い場合、それが原因で重大なミスを犯すかもしれません。熟練の技が必要な仕事を能力レベルが無い人間が行ったとしても精度を求めることができないでしょう。十分に経験が無いままに重要なポジションに付いた場合、大切な意思決定においてミスを犯すかもしれません。この点で、成果はマイナスになり得ます。
このように考えると当然、成果をあげるためには、個人としては個人のモチベーションレベルを上げる、個人の能力レベルを上げるに注力することが必要です。つまり、管理者は成果をコントロールしたければ、メンバーのモチベーションと能力を別々に管理することが考えられます。
さて、みなさんや皆さんの組織のモチベーションレベルと能力レベルはいかがでしょうか?非常に単純な視点ですが、実に重みのある視点であると思いませんか?