早嶋です。
先日の長田の話しです。『会社を出たところに、いかにも強面(こわおもて)の男性がノソノソとタバコを吸いながら歩いていたんだ。そして、彼がタバコを吸い終わったところだったので、「きっとポイ捨てするだろうな」って思っていたら、胸元から携帯灰皿を取り出してね。紳士な方だったよ。』と。
この話に関連して、次のような経験はありませんか?『夜中に前身黒ずくめの服装で目つきが悪い人に出くわしたら、直ぐに、このひとは泥棒か犯罪者ではないかと思ってしまう。』
行動経済学で、上記のような人の判断を説明するときに、ヒューリスティックという概念があります。これは、問題を解決したり、不確実なことがらに対して判断を下す必要があるときに、でも、そのための明確な手がかりやヒントがない場合に便宜的に用いる方法のことを指します。直感や経験則などですね。
ヒューリスティックに対比して使われる言葉がアルゴリズムです。これは、手順を踏めば必ず厳密な解が得られる方法のことです。三角形の面積の公式などがアルゴリズムに相当します。
ここで、上記の2つの事例にもどってみましょう。「いかにも強面」「真夜中に前身黒ずくめ」とくるといかにも悪い人を代表しているようですが、その直感は正しいとは限らないですね。
例えば、その人が犯罪者やいわゆる悪い人である確率は、直感的な判断から割り引いて考えなければならないのです。これらは、「確率を無視した思い込み」と考える事ができます。どんなに論理的に考える事ができたとしても、以外にちょっとしたところで説明が出来ない、あるいは、ロジックどおりではない!という行動が結構あるのです。