早嶋です。
「熱いストーブに1分間手を載せてみてください。まるで1時間ぐらいに感じることでしょう。ところが、かわいい姪っ子といっしょに1時間座っていても、1分くらいにしか感じられません。それが相対性というものです。」アインシュタイン150の言葉の中にこのような件があります。
これは相対性理論の説明でアインシュタインが話した内容ですが、人の記憶も相対的な要素があるようです。この仮説はマーケティングの発想にも応用できると思います。例えば、過去に行った経験にもとづいて、将来の意思決定を行う場面です。
一度、食べたお店が美味しいという記憶が強ければ、再びそのお店に行くという行動は誰もが経験したことだと思います。逆に過去の経験にネガティブな印象を持てば、やはり、再びいこう!という動機は起こりにくくなりますね。
このことに対して、つまり、人が過去に経験した不快な印象をどの程度記憶して、どのように評価するのか?と言う事を実験で調べた方がいます。この実験の結論は、不快感に関する記憶は、最もひどいとき(ピーク時)とその行動が終了する間際の記憶(エンド)が全体の印象に大きく影響を与える、と言うものでした。
上記の効用はピーク・エンド効果と呼ばれています。人が記憶によって過去の出来事に対する効用判定を行う時は、最も大きいときと最後の部分の印象が極めて重要である、ということです。
例えば、これを医療で応用するとしたら?痛みを伴う処置の場合は、痛みを抑えることも当然必要ですが、処置の最後に患者にとって苦痛を伴わない、つまり、むしと心地よい体験をさせるとどうでしょうか?理論通りでは、処置全体の印象はずっとよくなるはずです。
ピーク・エンド効果、つまるところ、終わりよければ全てよし!と言うのは理にかなっているのです。