早嶋です。
地球温暖化対策の一環として、買い物の際、エコバックを持参する運動が広まっています。これと相乗効果を出してるのがブランド物のエコバック。エルメスやベネトン、「I’m Not A Plastic Bag」と使い捨てのレジ袋の削減を訴えたアニヤ・ハインドマーチ製などは人気を集めています。
スーパーやコンビニでは、レジ袋削減のために、有料化(1枚5円~10円)やマイバック持参の方には5円のキャッシュバックなどの取り組みが見られます。
プライシング(価格設定)は製品やサービスに値段を付けることですが、これは価格設定の1つにすぎません。地球温暖化対策の一環でレジ袋を削減するために顧客にインセンティブを与える事もプライシングに含まれます。
価格設定に働くインセンティブは、4種類あります。金銭的インセンティブ、金銭的負のインセンティブ、非金銭的インセンティブ、非金銭的負のインセンティブです。
レジ袋の例で例えると、「エコバック持参の方には、5円キャッシュバックします。」は、金銭的インセンティブになります。一方、レジ袋を削減するために、これまで無料だったレジ袋を有料にする事によって、レジ袋を使わないようにする戦略は、金銭的負のインセンティブに相当します。
非金銭的インセンティブは、お金をからませずに、参加を奨励したり、行動を改めさせる方法です。例えば、世界で最初のエコマーク・プログラムは77年にドイツで生まれました。消費者に同じ種類であれば環境に優しい製品を優先して買うように働きかけたのです。このプログラムのブルー・エンジェルは、今や環境に優しい4000点にのぼる製品(食品と医薬品意外)をカバーしています。以前、紹介したコーズ・マーケティングも非金銭的インセンティブを利用した戦略になるでしょう。
残りの非金銭的負のインセンティブは、金銭的負のインセンティブと同じ働きをします。これはターゲットに対して、「ある事をしない」ように働きかけるために使います。例えば、喫煙場所をあえて、建物の隅の天井の無い場所や、隔離された場所に限定して、喫煙をしないように働きかけるのは、金銭的負のインセンティブを利用した戦略と言えるでしょう。