早嶋です。
オフィス街のお昼は、週末と盆前が重なって、お昼ご飯を食べる所を探すのに一苦労していました。さて、わりと穏やかな昼下がりでしたが、米国のサブプライムローンに端を発した金融市場の動揺は、穏やかではありません。
日米欧の中央銀行が大量の資金供給に踏み切ったことで、10日の日欧の株式相場は大幅な下落を見せました。
今回の世界的な株価の下げは、9日の欧州市場が起点とされます。サブプライム関連の金融商品が市場で現金化できなくなり、これがキッカケで、欧州の投資家の間で一気に不安が広がったのです。
ところで、サブプライムローンとは何でしょう?
サブプライムローンのプライムは優遇と言う意味を持ちます。また優遇金利のことをプライムレートと言います。つまりプライムローンは金利面で優遇された貸付になります。
そして、サブプライムローンの実体は、信用度の低い人、つまりもし貸したとしても返す可能性が低い人にも、金利を高くする代わりに貸しても良いよというローンでした。今回米国で問題となっているのは、住宅サブプライムローンです。
では、何故、この様な事態になったのでしょう?これは米国の不動産が右肩上がりで上昇を続けたことに起因します。貸し出し金利が高くなっても、住宅価格の上昇によってうまく回すことが出来ますよ!と言う事で、信用力の低い人への貸し出しが増加しました。最近までは、住宅価格の上昇により問題は無かったのですが、金利が上がったことによって、住宅価格の上昇が減速しました。当初は、住宅価格が上昇して担保価値が高くなったところで金利が低いプライムローンに借り替えよう、と思っていた人たちが移行できなくなったのです。
そうなると、高い金利の支払いが出来なくなり、返済が行き詰まります。すると、ローンの焦げ付きが増えて、ローン会社の破綻が相次ぎます。金融機関は担保にとっておいた不動産を処分すると、金利を含めて債権回収が十分可能で美味しい商品とみていました。
なんか80年代の日本で起きたお話しとそっくりですね。実際、日本の不動産バブル崩壊や住宅ローン問題とほぼ同じような状況が起きていると考える事ができます。
米国で起きている問題で、日本と欧州でも関係しているのは、サブプライムローンを貸し込んでいる金融機関グループが利益(キャッシュ)確保をするために、所有している有価証券を売却しているからです。