早嶋です。
連休中に報じられた米マイクロソフト(MS)とヤフーによるインターネット分野での提携交渉について、米経済紙ウォールストリートジャーナルなどの米国メディアは、「両社の話し合いは弾みを失っている」という表現で、交渉に関する動きが無くなったことを伝えています。
交渉が進まなかった理由は、ヤフーが強い関心を持っていないから、とCNNでは報じられています。今回の交渉は、MSが持ちかけたもので、ネット検索首位の米グーグルを追撃することが狙いとされていました。
MSとヤフーは、去年も合弁などの交渉を行っていますが、合意に至っていませんね。当時の報道でも、MSとヤフーの企業文化の違いから、ヤフーからの人材流出等が問題になることがいわれていました。
ただし、両社にとってグーグルの存在は依然、脅威となるでしょう。そのために、何らかの対策を行う事は必須うなので、今後、合弁意外の提携策に関しては引き続き協議を進めていくようです。
さて、グーグルは、MSとヤフーにとって、どの程度の脅威なのでしょう?ネット検索市場のシェアを調べてみました。米国調査会社コムスコア・ネットワークスが発表した3月現在の米国オンライン検索市場調査によると、
1位:グーグル 48.3%(前年同期5.6ポイント増)
2位:ヤフー 27.5%(前年同期0.5ポイント減)
3位:MS 10.9%(前年同期2.3ポイント減)
という事で、グーグルがシェアを拡大していることがわかります。仮に、2社が提携して1つになったとしても、シェアは38.4%にとどまり追撃するまでには至りませんね。
MSがヤフーと協力してネット検索事業を拡大したかった意図は、これらに絡む広告事業の強化が考えられます。この分野において、MSはグーグル、ヤフーに大きな差をつけられているからです。その背景は、オンライン検索のシェアは検索結果に連動して表示されるオンライン広告収入に直結するというものがあります。MSは、この急成長分野において、グーグルに圧倒的な遅れを取っているのです。
米グーグルの躍進はシェアに加えて、米リサーチ会社が選ぶ今年の「最も影響力のあるブランド」でも1位をしめています(MSは3位)。これらの情報を見る限り、MSやヤフーよりも、圧倒的にグーグルが継続的に拡大していくことが考えられますね。
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