早嶋です。
世界一の富豪は?といえば、誰もがご存知のビルゲイツ氏(米マイクロソフト会長)です。彼は12年連続で世界一の富豪に輝いています。
2位はウォーレン・バフェット氏。3位はメキシコの資産家、カルロス・スリム氏、4位は家具小売最大手のイケアの創業者、イングバル・カンプラード氏。そして、5位はアジアで唯一ベスト5入りしたミタル・スチール会長、インドのラクシュミ・ミタル氏です。
5位のクラシュミ・ミタル氏がCEOを勤めるアルセロール・ミタルは鉄鋼業界で世界第1位の鉄鋼企業です。
ミタル氏は50年生まれのインド人で、76年に鉄鋼企業、ミタル・スチールを設立しています。ミタル・スチールは急成長を遂げ、90年代には、カザフスタンなどの鉄鋼メーカーを矢継ぎ早に買収する成長戦略を展開しています。
そして、2000年以降、アルジェリア、ルーマニア、チェコなど9カ国で買収を繰り広げ更に規模を拡大。05年に米国のISGを参加に収め、一気に粗鋼生産量で世界一になったのです。この間わずか30年です。
06年のアルセロール・ミタルの年間粗鋼生産量は1億1000万トン。これは、日本の鉄鋼最大手の新日本製鐵(新日鉄)の年間生産量の3倍もの規模です。
鉄鋼業界では、ミタル氏の買収戦略によって一気に再編の嵐といったところですが、世界トップになっても、更に敵対的なTOBの意欲が高いようです。
新日鉄の三村社長は、19日、アルセロール・ミタルとの関係について、「今年最大の課題になる」として、欧州や中国での生産体制をめぐる協力関係の在り方などで協議を本格化させる考えを示しています。新日鉄は、ミタル・スチールが買収したアルセロールと技術提携を結んでいて、他にも中国のメーカを交えて自動車用の鋼板の合弁事業を展開しています。新日鉄としても、ここら辺が議論の中心となるのでしょう。
ラクシュミ・ミタル氏、今年も紙面を騒がす、注目しておきたい人物です。
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