早嶋です。
不動産の証券化というテーマが注目され、近年、SPCという言葉を耳にする機会が増えました。本日の日経にも以下のように登場しています。
—日経記事07年1月17日—
富士フイルムは三井不動産と組み、東京・銀座の旧本社跡地に商業テナントビルを4月19日に開設する。第三者が出資する特別目的会社(SPC)が建物を保有し、三井不動産が運営管理にあたる。
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SBIホールディングスとメリルリンチ日本証券は共同で不動産投資を始める。国内外で土地を購入しマンションや商業施設を建設することで価値を高めた後、他社や不動産ファンドに売却する。SBIが主に案件の発掘を担当し、メリルリンチが最大で5000億円の資金を、不動産開発のための特別目的会社(SPC)への出資や融資の形で提供する。
—日経抜粋終了—
さて、SPCとはいったい何なのでしょうか?
SPCは、Special Purpose Companyの略称で、日本語では特定目的会社になり、ある特定の目的のために設立・運営される会社です。そして、その特定の目的は、資産を取得して、投資化に配当を行う業務のみを指し、SPCは左記を運営する会社にあたります。
SPCは不動産などの特定資産を手放したい企業から不動産を取得します。企業は不要な不動産をSPCに売却することによって資金を入手することが出来ます。SPCは不動産を取得する際に、「優先出資証券」という株式会社で言う優先株に相当する証券や、「特定社債」という株式会社の社債に相当する証券を発行して、投資化を募ります。
つまり、SPCは不動産を証券化するための仕組みを提供する会社に当たるのです。上述により、不動産の表面的なオーナーはSPCになり、実質的なオーナーは、証券を購入した投資家になります。
ところで、企業が不動産を売却する目的はいったいどのようなものなのでしょうか?
企業が不動産を証券化する目的ですが、多くは、保有している資産のオフ・バランスになります。オフ・バランスとは字の如く、バランス・シート(B/S)から資産をオフ(OFF)する、つまり、どかすことです。オフ・バランスの単純な作業は売却です。
しかし、今の世の中、不動産を売却によって、オフ・バランスしようと考えても、簡単には行えません。これは、買い手が見つかりにくいという意味です。
また、オフ・バランスする不動産も不要資産ばかりとは限らず、例えば本社ビルや支店などの店舗、工場など経営活動に不可欠な資産の場合もあります。
そこで、不動産を証券化する手法がとられ、オフ・バランスを図りやすくするのです。SPCは、不動産の証券化の仕組みの中で資産や資金を受け入れる器といった役割を果たしているのです。
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