早嶋です。
—日経新聞抜粋—
不二家の藤井林太郎社長は15日、都内の本社で記者会見し、消費期限切れの原料を使い洋菓子を製造・出荷していた問題の責任を取り、辞任する意向を表明した。埼玉工場で過去7年間に消費期限や賞味期限切れの原料の使用例が新たに18件みつかったことなどを明らかにし「基準が守られない頻度が高く、倫理観が薄い」と述べ、社内体質に問題があることを認めた。—終了—
不二家で昨年実施した社内調査の報告書に、「マスコミに発覚すれば雪印乳業の二の舞となることは避けられない」と記載されていたそうです。
近日、報道されている不二家の事件に関して、企業のリスクマネジメントについて以下の2点を考えさせられます。
1)内部統制は、日本版SOX法への対応だけでは十分ではない
2)重大な問題が起った場合の経営者の対応
1)に関しては、当たり前ですね。現在、国内の上場企業やシステム構築や運用を支援するITベンダーでは、日本版SOX法が適用される08年度に向けて、内部統制の整備等を本格的に行っています。この法で適用される内部統制は、あくまで財務情報の適正性を確保することを目的にしています。
財務報告の不正は、米エンロンやライブドアなどのように経営危機に直結します。したし、不二家のように食品会社であれば、商品の品質や安全性に関わる不正も、企業経営そのものを危うくします。
重要なことは、業務プロセスを正しく見える状態にして、起りえるリスクに対しては、その対処法を考える必要があるのです。
2)に関してです。不二家の経営陣は、06年の秋の段階で、雪印の二の舞になる、という報告を受けていたにも関わらず、早期の情報開示と説明を怠っています。情報開示と説明は、リスクマネジメントの基本だと思います。
賞味期限切れについても重要な問題ですが、経営面を考えると、経営陣のリスクに対しての対処方法に大きな問題がありました。
1)と2)は、両方が揃わなければ、リスクを排除できるとはいえないですね。つまり、しっかりとした内部統制の仕組みと、もしもの事があったときに経営陣としてどのように対処するかというリスクマネジメントの基本的な方針を明らかにする必要があると思います。
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