早嶋です。
米国フォード・モーターズは、米国ボーイング社の副社長のアラン・ムラーリ氏を社長兼最高経営責任者(CEO)に指名しました。これによって、ビル・フォード会長はCEO職を退け会長職に専念します。
フォードの現状は、高級車部門のジャガー、主力のピックアップトラック及びSUVの販売不振と原料価格の高騰で経営状況はよくありません。
1月に発表されたリストラ策「ウェイ・フォーワード」では、2012年までに最大3万人の人員削減、14工場の閉鎖を掲げています。しかし、9月中旬発表の計画では、具体的な計画が盛り込まれていない状況でした。
そこで、ムラーリー氏の着任後のフォード再建計画は注目に値します。例えば、高級車ブランドのアストンマーチンなどの部門売却などです。業界では、マツダ株の放出にも多方面のコメントがあります。
1)フォードはマツダ株を売却しない意見
フォードは、小・中型車部門の車体開発でマツダの依存度が大きいです。フォードはマツダが開発した小・中型SUVの車体に関しても、プラットフォームを流用する計画があるため、売却は無いでしょう。
2)フォードがマツダ株を売却する意見
仮に、フォードが債務超過に陥る自体が発生すれば、解決作の1つとしてマツダ株の放出もあるでしょう。現在、フォードはマツダの株式の33.4%を保有しておりキャッシュに相当すると、約3000億円。現金を手に入れる手段としては手っ取り早い。
どっちにしてもマツダにとってはヤキモキする問題です。現在、マツダの販売台数は130万台。マツダとして単独で生き残るのも問題がありますし、仮に売却されたとしても企業文化の問題があります。
マツダとしては、このままフォード傘下で成長することが良いと思います。特に成長が期待できるインドなどの振興市場において小型車領域に力を注ぐことはフォードにとっても生き残るために欠かせないと考えます。いづれにせよ、ムラーリー体制はフォードをどの様にコントロールするのか、見守っていきたいです。
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