早嶋です。
旅行会社のJTBとクレジットカード会社のJCBが、双方の事業強化に向けた包括的事業提携で合意し、06年7月に事業開発会社を設立しています。
双方はこれまでクレジット決済と旅行というサービス分野で蓄積してきた顧客DB、インフラ、ノウハウといった経営資源を相互活用することが有効であると判断したのです。
上記の提携のように、最近のクレジット業界は、互いに協力したり、新サービスを開発提供することでしのぎを削っています。
これまで、カード事業は銀行や航空会社の系列が先行していました。これは、発行枚数がカードの強さを示す尺度であったからです。しかし、近年のカード業界は、お客様と日常的なつながりを持った会社に軍配が上がっているようです。
理由は、カード=ポイント制度。大半のカードが利用金額に応じてポイントが加算されるため、毎日お金を支払う会社の方がポイントが収集しやすくなるのです。
その意味で考えるとJR東日本のSuicaは最強ですね。通勤、通学には欠かせないですからね。他に日常的な顧客とのつながりを考えると、世の中を支えるインフラ会社が考えられます。例えば、電話(NTT)や電気、ガス会社などです。
私は、使用料金をわざわざカード会社を通して支払っているくらいですから、インフラを支える会社がカード事業をはじめると圧倒的な強さになると思います。
実際、米国では電話会社であるATTがカード会社を始めたところ、3年足らずでカード保有者数が全米2位になりアメックスを驚かしたことがありました。その後、この会社はシティバンクに買収されましたが、公共のインフラを支える会社がカード事業を行うと強いという証明になります。
カード事業が再編されていくのは一向に構いませんが、キャッシュレスの世の中が当たり前になったときに、財布の中のカードが沢山増えていたら、本末転倒です。1枚のカードで複数の機能が満たせるように、将来的なビジョンを持ってカード事業を行って欲しいものです。
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