早嶋です。
米国の調査会社、ディスプレイサーチによると、シャープの液晶テレビの世界シェアは金額ベースで20%程度でNo1でしたが、05年秋にソニーに抜かれ、06年6月は11%(ソニー16%、サムスン15%、フィリップス12%)となりNo4になっています。
この金額ベースでのシェアの低下は、欧米での液晶テレビの主流が40型以上になりつつある中で、シャープは国内市場の主力である30型を中心としたラインナップだったことにあります。
そこで、シャープは亀山第二工場の稼動で大型の生産体制を整えました。第二工場で製造する液晶テレビは、新製品6機種で、42型、46型、52型の各2機種と世界市場の主流である40型以上の生産に力を入れています。実際、第二工場での生産の半分以上を海外に投入する計画です。
これに対してシャープの競合であるソニーとサムスンは、来年秋に亀山第二工場と同じ第8世代と呼ばれる合弁パネル工場を韓国で稼動させます。シャープはこれに対して、亀山第二工場の生産を増産体制にしているので生産効率が向上していると見解を示していますが、競争激化は逃れられないようですね。
この様な競争環境の中、価格下落が始まっています。中型液晶テレビの価格は、年間3割程度のスピードで下落しています。シャープが大型市場に本格参戦したことによって、40型以上の大型液晶テレビでも下落が進むでしょう。
シャープが一時的に返り咲いたとき、液晶のシャープが既にソニー、サムスンに定着していれば、シャープがその地位を維持するのは困難になると思います
今回のシャープの新機種の世界同時販売戦略。どの様な結末になるのか、とても興味がある内容です。
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