早嶋です。
デル・コンピューターが発表したノート向けPCのリチウムイオン電池の自主回収の問題は、根が深い。
デルが自主回収としている電池は、そのすべてがソニー・エナジー・デバイス(ソニー子会社)。電池の内部に短絡がおき、過熱・発火にいたるといいます。既に、日本での2件を含む6件の発火事故が確認されています。
ソニー広報センターのコメントによれば、今回の問題を以下のように説明。「短絡が起きた原因は、ソニーエナジー・デバイス福島工場の2次電池セル製造工程で、まれに微小な金属片がセルの特定部位に混入した」ためだと。
金属片が電気回路の中に混入されれば、回路の中で接触してはいけない部分が接触し、結果的に発熱・発火の原因となります。今回の原因は、この金属片の混入です。ソニーの対策として、特定部位に金属片が混入しないように製造工程を見直すとしています。
しかし実際の製造工程で短絡が発生すると、通常の出荷検査であれば、はじかれます。精密機械を作る工場では、ここら辺の品質管理は郡を抜いて厳しいです。ソニーも当然、製造したセルに熱を加えるなどのエージング処理を施した上で、短絡の有無を検査していると思います。その検査をすり抜けたということになれば、製造品質に大きなハテナマークがつきます。
ソニーのコメントでは、デル製品以外の電池に関しては仕様が異なることから、発火の問題を否定しています。しかし、不具合の問題が電池セルの金属混入にある以上、他の製品の電池も不具合がおきる可能性を完全に否定することは出来ないでしょう。
ソニーはこの問題に対して早急な手を打たなければ、また、仮に打ったとしても、メディアで流れているネガティブなイメージはブランド価値を大きく損ねたことになります。
発火の根本的な対応が取れなければ、ノートPCの飛行機の機内持ち込みはおろか、持ち込み禁止といった対応までとられるかもしれません。もし、こうなったら一揆にブランド失墜もありえるくらい、大きな出来事なのです。
—ただ今、ブログマーケティング実験中。—
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