早嶋です。
週末に本を読んだので紹介です。『素数ゼミの謎』吉村仁著より。
アメリカのシンシナティ州のある地区に04年にセミが大量発生したそうです。これは、17年ぶりのこと。
セミの生涯は、そのほとんどを土の中で過ごすことを皆様もご存知だと思います。幼生時代は12年から18年とかいった時間を土の中で過ごした後に、2週間程度のセミとしての人生を過ごします。この2週間の内に新たな子孫繁栄のために、互いを求めて鳴き合うのです。
セミの大発生の記録を調べると、ほとんど毎年、北米大陸のどこかで発生していることになるそうです。ただ、記憶すべきことは、その周期。13年に一度か、17年に一度の周期を持って、それぞれの地で大発生を行っているのです。セミは、12年から18年を地中で過ごすことがわかっているようですが、大量発生をするセミは、13年セミと17セミ。
数学的な発想で13と17に注目すると、それは素数。地中に潜伏する周期の違うセミ同士が交尾をすると、その子孫は半減することになります。仮に13年セミと17年セミが交尾をすると13年セミか、17年セミかどちらかのセミが生まれます。それぞれの周期のセミは、自分のDNAを残したい。100%残すためには、同じ周期のセミと交尾をすることが前提になります。
そのために、素数である13年周期のセミと17年周期のセミが大量に発生する確率が高くなっているのです。たとえば、17年周期のセミと18年周期のセミが同時に地上に出てくる周期は、その最小公倍数になるので、17×18=306年。これだとめったに出会わないため、交雑の可能性が減りますね。
素数年だけ過ごす13年セミと17年セミは、地上に出たときに中間のセミと出会う確立が他のセミと比べて多いのです。そのために、13年周期か17年周期でセミの大量発生が集中的に起こるそうです。
これが永久に繰り返されれば、素数年のセミだけが生き延びることになるのでしょうね。自然を数学的な観点で観察した話でした。
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