早嶋です。
昨日、知人と食事をしている時の知人の取った行動です。おもむろに鞄から、風呂敷の様な入れ物に包まれた箸を取り出し、割り箸を使わずに、自分の箸を使う。
何でも、マイ箸クラブと言う思想の基、持ち箸運動を行っているそうです。マイ箸とは、その名前のとおり「自分用の持ち歩きできるお箸のこと」で、マイ箸クラブという、持ち箸運動に参加するメンバのネットワークが、マイ箸クラブとして2003年3月に設立されています。
この思想は、大量消費型のライフスタイルを見直すことや、人間社会と森林の持続的な関係に関して模索をしているところから来ているのでしょう。
今年の3月に割箸に関して重要なニュースがありました。中国政府が「森林保護」の目的のため、「割箸」の生産を大幅に制限し、将来の輸出も禁止するだろうという報道です。このニュースの直後、日本での割箸の価格が50%も上昇し、外食、弁当などの関連業界に割箸ショックが広がりました。
日本では、現在年間に250億膳程度の割箸が消費されており、その90%近くを中国からの輸入に頼っています。割箸は、1本の木から、10,000膳作られると言われますので、換算すると250万本の木が割箸になっている計算です。もちろん全ての割箸が森林の木を直接伐採して作っているわけではなく、低利用材や間伐材を利用しているので上述した数字は参考値です。ただ、割箸というものが無ければそれだけ森林の伐採も進まなくなるのも事実です。
中国政府が森林保護目的に割箸の輸入を中止を含めて検討している背景に、伐採の方法があります。日本で割箸を生産する目的で伐採していた時は、択抜方式という方法が取られていました。これは、一定の伐採率を例えば、一定の樹齢と設定し、それに満たしたもののみ選択して伐採する方法です。この方法は乱伐を防ぎ、同時に植林を進めていくので、森林を再生しながらの方法です。
一方、中国で取られた伐採方法は皆伐方式です。これは森林の一部、または全部を一斉に伐採する方法です。択抜方式に比べ作業が単純で大量に伐採が出来る一方、森林の再生が行えず、伐採後の表土を流出させるなど、一気に砂漠化の原因となっています。中国で割箸を生産すると言うことは、その生産量だけの森林が無くなっていくことになるので、これはかなり深刻な問題です。
となると、割箸を使わないような活動は大切な事ですね。ただ、闇雲に割箸禁止としても、現在の世の中浸透するはずはありません。そこで、割箸の使用割合を調べてみました。正確な統計データが無かったのですが、使用用途に占める割合は以下です。
弁当(コンビニ、中食を含む) 15%
飲食業・業務用 65%
その他 20%
割箸削減を行うには、飲食業・業務用の策を考えると一番効率的です。この使用用途で考えられる方法は、
・マイ箸クラブの運動である、持ち箸運動を促進すること
・洗い箸を復活すること(家庭の箸の様に割箸ではなく普通の箸を洗って使う)
・割箸自体のリサイクルを考える
洗い箸運動や、割箸自体のリサイクルは、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント:ある製品について、それが工場で作られる段階から最終的にゴミとして処分されるまでの間に、どれだけの資源を使用するのかを調べるもの)の観点から考えると、一概に割箸と比較するのが難しいかもしれません。
となると、マイ箸運動。過去にも普及はしたようです。でも良く考えると、お弁当を持って通学していた頃は、割箸を使うことなく、殆どの人が箸箱に箸を入れて使っていました。(※当時まだ、割箸の単価が国内さんのものがあり高かった背景もありますが。)昔はマイ箸運動を無意識に行っていたのです。そこに、割箸という単価の安い代替案が主流となり、マイ箸の概念が消えていった。ある種のパラダイム・シフトですね。
では、マイ箸を再び復活できるのではないか?例えば流行を作るのはどうでしょうか。マイ箸を子供の頃実践していた世代に、また、あの頃の様に自分の箸を持ち歩きましょう。と言っても誰も実践しないでしょう。
そこで、例えばチョイワル・オヤジの愛読書”レオン”に”チョイワル・オヤジは、渋艶マイ箸”などと特集を組み、高級な箸を沢山紹介する。箸はピンきり奥が深いから、レオン世代のオヤジは皆、飛びつく可能性は高いでしょう。そんじょそこらの箸とはちがうモノを持ち歩く。小物好きなオヤジとしては、飛びつかないわけがありません。また、箸をファッションとして、着る服や、食事をする店にあわせてチョイスする。マイ箸を入れる袋も、高級鞄メーカーやセレクトショップとタイアップして企画する。ご飯を食べる時のニキータの視線がオヤジのマイ箸に。
レオン風に書いてみましたが、このような取り組みをファッションとして、楽しく企画すると、皆が賛同する取り組みになるかもしれません。
まずは、お気に入りの箸をさがしにショッピングに行こうと思います。
—ただ今、ブログマーケティング実験中。—
実験の詳細は、『ブログマーケティング実験』『ブログマーケティング結果報告』をご覧ください。
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