早嶋です。
ハイコンセプト~「新しいこと」を考えだす人の時代(ダニエル・ピンク著 大前研一訳)の紹介です。
日本の所得層は、以前の一億総中流から、中低所得者が80%、高所得層が5%というM型社会になりつつあります。そのときに3つのことを考えましょう、というのがこの本の大きな問いかけです。
①「よその国、特に途上国にできること」は避ける
②「コンピューターやロボットにできること」は避ける
③「※反復性のあること」も避ける
※反復性のあることとは、いずれロボットやコンピュータが行うか、BPO(間接業務のアウトソージング)されてしまうから。
近年の中国・インドといった発展国との競争に加えて、今後はコンピュータやロボットとも競争を行わなければならなくなります。そうなると、何が必要かということで、創造性があり、反復性が無いこと、イノベーションとか、クリエイティブ、プロデュースと言った言葉に代表される能力が必要になりますよ、と話が進みます。その際に重要な思考やアプローチ方法が、「ハイコンセプト」「ハイタッチ」と説明しています。
ハイコンセプトとは、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話の出来る能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力などです。
また、ハイタッチとは、他人と共感する能力、人間関係の機敏を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についても目的や意義を追求する能力などです。
農耕→工業→情報と続き、今はコンセプトの時代と言われています。これまでの情報化社会での主役は、左脳主導思考の職業(経営者、医者、エンジニア、弁護士、会計士)でしたが、ここに来て限界が来ています。その理由を、「豊かさ」「アジア」「オートメーション」として説明しています。これまで通り仕事を進めると、他との差別化が出来なくなり、仕事はITや、海外にアウトソーズされる可能性があるのです。そのためのハイコンセプト、ハイタッチといった思考やアプローチ方法は、右脳主導思考に重きが置かれます。
上記の内容に関して、事例豊富に解説をしている本です。現在の世の中を考えていくと、多くの内容が抱合されています。今後の経済、社会を見ていく上での考え方として大いに参考になると思います。
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