早嶋です。
本日の日経に、「100円ショップ増量で魅了」という記事がありました。日経新聞の調べでは、主要な100円ショップで販売している生活消耗品の2割り程度が2年前に比べて増量されているそうです。
100円ショップで価格競争を繰り広げる場合、価格は固定しているので、単価あたりの販売量を増やす、つまり増量によって、実質的な値下げを行っていく事になります。例えば、100円で販売していたトイレ用のクリーニングペーパーが、2年前は41枚入りであったのに対して、今では45枚で販売しているなど。
ここで、疑問に思ったことは、消費者はその増量度合いを適宜認識しているのか?ということです。マーケティングの世界では、このような消費者が認識できる最低水準をJND(just noticeable difference)と呼びます。今回の100円ショップが繰り広げている実質的な値下げは、消費者が認識できていないレベルで行っている感じがしてなりません。消費者にとってポジティブな変化の場合、消費者がきずくレベルで行わなければ、その意味がないと言う事です。
上記の例のように、消費者が感じるJNDが分かれば効率的な戦略の実行ができます。コーヒーやポテトチップスなどは、コストが上昇すれば、価格を上げる前に中身を減らすことが可能です。この時、パッケージの大きさを変更しないで例えば180mlから170mlに減らすなど。この時の10mlが消費者が気付かないレベルであれば、この値下げは消費行動に支障をきたさないと判断できます。ほとんどの消費者はこの変化に気付くことは無いので、実質的な値上げを堂々と行うことができるようになります。
—ただ今、ブログマーケティング実験中。06年3月10日開始—
実験の詳細は、06年3月10日の『ブログマーケティング実験』をご覧ください。
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