マネジメント・プロセス

2008年9月22日 月曜日

早嶋です。

本日もエマソンのマネジメント・プロセスについてコメントします。エマソンで行われるマネジメント・プロセスには6つの構成要素から成り立ちます。各要素は一般的なマネジメント理論やエマソン自信の過去の経験と学習が織り成されて反映されたモノです。従って、実践的かつ体系的にまとめられています。

1)単純化する
マネジメント・プロセスの大原則です。全てを単純化することから開始します。エマソンが達成してきた成長と成功は、より大きな組織、より多くの責任、相反する利害関係などの複雑さの中で、阻害要因を排除して本質的な事象に集中します。単純化することで組織の全員が何をしなければならないのか?を理解し、その達成に向けて動きやすくなります。単純化することで過去の弊害や官僚主義を排し、重要なプロジェクトに資源を集中しやすくします。単純化する能力は経営者にとっても深い意味を持つのです。

2)計画へのコミットメント
経営者が計画に関わらないでは仕事を成し遂げることなどできない!これがエマソン流です。従って計画にも重きをおいています。エマソンでは計画とりう活動は多くの利益をもたらすと考えられています。計画策定は成長と利益の源泉を明らかにして、会社の方向性を示すからです。そのため計画を立てる人=実行する人、となり計画策定のフェーズを通してエマソンと各事業部のつながり、優先順位を理解し全体像を捉えた行動が出来るようになるのです。

3)フォローアップとコントロール
エマソンが高い業績を継続的に続けている理由は、実行を真剣に捉え、計画をフォローするために組織活動を意識し、かつ、厳格に定期的にフォローを行っているとこにあります。仮に外部環境に変化が生じてもフォローアップとコントロールの仕組みにより早い段階で察知、必要に応じて修正という柔軟性も実現しています。

4)行動志向組織
実行のないビジョンは幻覚に過ぎない、という言葉が表すように行動に移さなければ意味がありません。リーダーは組織を行動志向に駆り立て、適宜切迫感を与えて行動を起こし、起こさせます。

5)実行における卓越性
エマソン流行動には卓越性という修飾詞が伴います。卓越性は急速に変化する厳しい競争環境において卓越するための基準から定義しています。実際、最強の海外の競合先を徹底的に分析して比較を繰り返しています。自社の分析のみでは卓越性は生まれないと考えているのでしょう。前職で仕事をしているときにもエマソンの絶え間ない攻撃をヒシヒシと感じていました。

エマソン流卓越性にはもう一つ特徴があります。それは、全社員が目標を正しく理解し、それを達成するための各自の役割まで認識させることです。

6)社員が卓越でき実際に卓越する環境の創出
6つ目の構成要素はリーダーシップです。エマソン流リーダシップの定義は、社員が卓越できるだけではなく、実際に卓越するような環境を創出することです。そして、エマソンはリーダーシップ10の鍵ということでその項目を明文化しています。

①成功に深くコミットする
②適正なプライオリティを設定する
③高い卓越性の基準を設定し社員にその実現を強く求める
④人を扱う場合は厳しくかつ公正である
⑤前向きなこと、そして可能性に集中する
⑥危機意識を高め維持する
⑦細かい点にも注意を向ける
⑧失敗に寛容である
⑨個人的に深く関与する
⑩楽しむ!

以上の6つの構成要素をエマソンでは実際に機能させています。良い計画があっても実行されなければ意味がない。良い計画があってもフォーローアップとコントロールの仕組みがなければ価値がない。フォローアップとコンロトールの仕組みがあっても良い計画がなければ価値がない。マネジメント・プロセスが単純明快でなければ理解されないので、フォローアップとコントロールは機能しない。6つの構成要素は互いがうまく補完し合っているのです。



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