安藤です。
今回は、「これからの時代を生き抜くため~well-being~①」です。
今、話題になっているwell-beingについてお書きします。企業の在り方や個人のワークライフバランスが見直されている中、これからの時代の中心的な考え方として注目されています。また、人口減少・社会構造の変化の中で、well-beingの向上と生産性向上の好循環、多様な活躍に向けて内閣府も「満足度・生活の質に関する調査~日本のwell-beingの動向~」を提示しています。*2022年7月付けsummary22.pdf (cao.go.jp) 他、インターネット関連サービスを提供する楽天グループでは、「従業員のwell-being」に取り組んでいると公表しています。
まず、well-beingとはなにか、「ウェルビーイング(well-being)」は、健康、幸福、福祉などに直訳されます。ウェルビーイングということばが初めて登場したのは、1946年に世界保健機関(WHO)が設立されたときです。
世界保健機関憲章では、「健康とは、単に疾病がない状態ということではなく、肉体的、精神的、そして社会的に、完全に満たされた状態にある」と定義されています(”Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”)。
「健康」は、狭い意味での心身の健康のみを指すのではなく、感情として幸せを感じたり、社会的に良好な状態を維持していることなど、全てが満たされている広い意味での「健康」である、と解釈できます。
厚生労働省「雇用政策研究会報告書概要では、「ウェルビーイング」とは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念。と記しています。
次に、なぜ、国、大手企業が “well-being” に取り組んでいるのか。背景として挙げられるのは、3点あります。1点は、人口減少(2017年1億2,671万人から、2040年には1億1000万人程度まで減少する見込み。2点目は、高齢化(65歳以上人口は、高齢化率も27.7%⇒35%超に上昇)。3点目は、技術革新(AI等に代表される技術革新の急速な進展により、働き方も含めた社会のあり方が変容する可能性があるといわれています。詳しことは、こちらをご覧くださいませ000532354.pdf (mhlw.go.jp)
そして、個人が「well-beingであることが、well-doing」につながる。企業にとっても、労働者が能力を発揮することで生産性につながるというこという考え方です。いわば、労働者自身が充実し、満足した状態であることが最も大事だということです。
具体的には、仕事における幸せの効果として8つ挙げられています。
① イノベーションが3倍(Shawn Achor) ②変化の適応度が45%高い(Gallup) ③営業成績が37%高い(Martin Seligman) ④生産性が21%高い(Gallup)⑤燃え尽き症候群が4倍少ない(Gallup) ⑥欠勤が41%少ない(Gallup) ⑦退職が59%低い(Gallup) ⑧不安全による事故が70%少ない(Gallup) 引用:前野隆司氏
① ~⑧が可能であれば、企業が取り組む理由として納得がいきます。
日本での取組例を挙げると、楽天グループでは、創業メンバーである小林正忠氏が、CWO(チーフ・ウェルビーイング・オフィサー)の役割を担い、カフェテリアやフィットネスなど健康を支える事業を行う「ウェルネス部」、従業員と組織のつながりを高める「エンプロイーエンゲージメント部」、情報発信などに係る「サスティナビリティ部」の3つの部署を設け、個人、組織、社会のウェルビーイングに取り組んでいます。
また持続可能なチームには、仲間・時間・空間の「三間(さんま)」に「余白」を設けることの重要性を解くなど、企業や個人へ向けて独自に行ったさまざまな研究成果を公開しています。
そこで、現在は、well-beingを計測する指標が注目を浴びています。
次回は、指標について書かせて頂きます。
私自身も、企業でwell-beingコーチとして担当しています。何かお役にたてることがありましたら、気軽に弊社にご相談くださいませ。