確率とビジネス

2008年3月29日 土曜日

早嶋です。

明日の長崎の天気予報は、「降水確率90%」です。さて、ここで使われている確率ですが今では当たり前のように使われていますね。この言葉が今のような意味合いで使われたのは17世紀中ごろからです。

確率上記の「今のような意味合い」には3つの側面があります。
1)数学的に正しく扱えること。これは、確率に関する諸条件が数学的に明確に規定されることを意味します。

2)経験科学における確率。この経験科学の代表例が学校のテスト等で良く使われる偏差値です。偏差値を使うことでテストの成績が大きな集団の中でどのように分布するかが分かりましたね。もっと広義な捉え方では、経験側によって将来起こり得る出来事のあたりをつけているという考え方です。これに関しては、統計学者のI・J・グットの言葉が良く当てはまります。「確率論は人類よりはるかに古い」です。不確実性の評価を殆どの生物が経験から学習するという考え方が包括されていますね。

3)日常生活を含めた実践的な決定の場で確率が果たす役割。確率の歴史はフランスの数学者パスカルとフェルマの往復書簡に始まるといわれます。そして、そのきっかけを作ったのは以外にも賭け事。当時フランスの社交界で名を馳せていたシュヴァリエ・ド・メレという賭け事に精通していた人物が、友人のパスカルに賭け事について質問をしたことが確率論のルーツだそうです。

確率は、不確実性を数的に測定する基準といえます。不確実なできごとが発生する可能性に関する確信の強さを伝えるための数字が確率です。不確実な出来事、これはビジネスにおいても個人の人生においても溢れていますね。確率は、それらの不確実性に対して起こり得る確信の強さを数字で示すことが出来るので意思決定のツールとして有用でしょう。

確率は0と1の値の範囲内で、確率が大きいほど、起こりえる出来事(事象)が生起する事に信頼度を持てることになります。例えば0.95の確率は、事象の発生に対する非常に高い信頼度を意味しますし、0.05の確率は、その事象が怒りそうに無いと考えるといった具合です。

日常的には確率についてはあまり厳密に考えていませんが、統計の正解では95%と5%を良く用いています。これは、以前説明した2SDルールとのつながりが密接に関係しています。

確率や統計、高校や大学では習ったけど、ビジネスにおいて役に立つの?と疑問をお持ちの方、今一度、昔の教科書のホコリをはらって読み返してみることをお勧めします。ハードディスクやメモリ容量、CPUの処理能力が極めて安価に性能が向上している世の中、統計と確率はビジネスパーソンの新たな武器になるでしょう。



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