職場に活かす心理学 エンゲージメント

2021年11月6日 土曜日

安藤です。

「エンゲージメント」は、聞かれたことがあるかと存じます。エンゲージメントとは、ある活動に対して自ら能動的に関わり、それを楽しみに没頭している状態です。元々、労働・組織心理学として使われています。「ワーク・エンゲージメント」は、仕事の場面に特化したエンゲージメントのことです。具体的には、①仕事に誇りややりがいを感じている「熱意」、②仕事に熱心に取り組んでいる「没頭」、③仕事から活力を得て活き活きしている「活力」この三つの要因がそろっている状態を「ワーク・エンゲージメントの高い状態」と定義します。

③の没頭とは、仕事に完全に集中、没頭し、時間があっという間に過ぎ、仕事と自分自身を分離するのが困難なほど
 一体感を感じることです。ワーカホリズムと違うのは、ワーカホリズムには、楽しくない、やらされ感、自己評価がマイナス、非現実的な目標設定などです。よって、上記の①~③の状態とは違います。

没頭は、フロー状態と同義語です。フローとは、「時を忘れるくらい、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的な状態」を指しています。もう少し詳しくフロー状態を説明すると、フローとは、①活動自体が楽しく、没頭している時の意識が淀みなく流れている状態。②個人の良さや能力を伸ばし、興味や自信を成長させ、充足感を与える役割を持ち、人生を楽しく生きがいのあるものへと導く概念として提唱されています。③フローの概念は、認知科学の発展とともに「創造性や幸福感などの主観的経験の科学的研究の発展とともにその意義が十分に認識されてきています。
よって、ワーク・エンゲージメントを実現した職場では、バリバリ働くことができ、ストレスもない。個々の心身の健康度と、組織としての生産性やパフォーマンスが両立するといわれています。そういう職場は理想かと思われます。「職場の活性化」こうした職場のワーク・エンゲージメントを高めるには、トレーニングの機会やパフォーマンスに対する正当な評価といった「仕事の資源」を充実させる対策が必要になってきます。

では「仕事の資源」とは、どういうことなのでしょうか。仕事の資源は、ストレッサーやそれに起因する身体的・心理的コストを低減し、目標の達成を促進し、個人の成長や発達を促進する機能を有する物理的・社会的・組織的要因」であるといわれています。そのことは、以前もお書きしていますが、“心理的安全性”がある職場づくりにも繋がるのではないでしょうか。健康寿命の伸長、年金支給時期の後ろ倒しなどの要因により、私たちがこれからより「働く期間」が長くなってきます。1つの仕事や企業にとどまることなく、企業を移ったり、仕事が変わったりすることが多くなってくると考えられます。そのような中、個人が健康に、やりがいをもって仕事に取り組むことに繋がるワーク・エンゲージメントは、組織としても大切にしていかなくてはいけないことになると思われます。

今回は、エンゲージメント特に、ワーク・エンゲージメントについてお書きしました。これからの「組織と個人」との共生にも
繋がっていく概念です。何かお役にたてることがありましたら、気軽に弊社にご相談くださいませ。



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