雇用のあり方

2008年1月4日 金曜日

早嶋です。

本日は、上海在住のボンディーズの方々(BOND大学MBAの卒業生)と会って情報交換をかねたお食事会でした。長田さん、田中さん、ありがとうございました!

2008年はオリンピックの年ということで中国全土がオリンピックムードで沸いている中、今年から新しい労働基準法やら税法が開始されるようです。中国進出の外資企業にとってオリンピックよりもエポックメイキングな1年が始まります。

これまでは、人件費が安い!というような理由で中国進出を考えた企業もあったと思いますが、今後は慎重にならざるを得ない状況になるようです。中国企業に対する法人税率は下がるのに、外資企業は引き上げに・・・。雇用体制はガラリと変わる。中国に進出している外資企業はどこも、このようなボヤキが聞こえてきそうです。

労働基準に関しては、去年の6月頃に中国の全国人民代表大会常務委員会で固定期限がない労働契約の締結内容を盛り込んだ労働契約法新法が可決され、今年から施行されます。

労働契約の詳細に関しては、Google等で見てもらえばわかるのですが、要は企業側の法案から労働者側の法案に変更した感じでしょう。改革開放前の中国は大半が国営企業で、労働者の多くは終身雇用に近い雇用形態でした。それが、解放後は民営企業が増え、それと同時に労働条件や雇用体制も民間に委ねられた背景があります。そのため、悪質な雇用体制が随分蔓延していたようです。

今回の法改正は企業の労働基準を国として明確に決め、労働者サイドに有利な法案になっていると関係者にお話を伺いました。ただ、その内容が国際的に見て少しずれている、というのがあり、多くの外資系の企業が今年の労働基準法に困惑させられるという問題が起こるのです。

特に解雇に関して。これまで短期間の契約でOKだったのが、長期的な契約になり、たとえ能力が低くて期待していた仕事をしない人材であっても解雇するのが難しくなるなどが予測されます。

実際は、人件費のみで中国進出を進めた企業は少ないと思いますが、少なからずとも今回の改正は企業のオペレーションに影響を与えるのではないかと感じました。



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