買い手がM&Aを行う際に、M&Aの前後を含めて3つに分けて整理しています。M&Aは基本的には戦略を実行するための戦術なので、前工程では当然に戦略を整理しておくことが寛容です。目的が明確でなければ案件が舞い込んできた際に価値の評価もできなければリスクをどこまで許容できるかの判断も付きません。そのような買い手に対してアドバイザーは買えない企業、判断できない経営陣と判断して、次に案件が出てきたとしてもより早く的確に意思決定できる企業に案件を持ち込むことでしょう。
M&Aの最中は、案件を探すフェーズとクロージングに向けて交渉や整理をしていくフェーズに分かれます。初めてのM&Aの場合はM&Aアドバイザーと相談しながら進めていくことになります。買い手の場合は、通常M&Aを一度体験すると成長戦略のオプションとして複数回活用するようになりますので、いろいろな意味で経験豊富です。一方売り手は自信の事業を売却する経験は人生で1度あるか無いかなのでしっかりと準備して武装して望まなければ良い条件を引き出せないで終わることも考えられます。
買い手に取ってM&Aのクロージングはゴールではなくスタートです。そのため案件を交渉している途中よりPMIの準備に入るのが理想です。買収した後に、実際のその企業をマネジメントする責任者が基本合意を締結する頃より統合後の計画とマネジメントの準備をすすめます。M&Aを上手に活用している企業は、やはりPMIの手続きも秀逸です。