高橋です
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、数回に分けてお伝えしています。
今回「営業標準プロセスの価値とは?(後編)」では、「科学的な営業」をテーマに解説いたします。
「科学的な営業」とは、再現性があるということです。つまり同じことを、同じ順番で、同じようにすると、毎回同じ結果になる、ということです。「科学的な営業」は営業標準プロセスがあることによって可能になります。
ということは、望ましい結果にならなかった場合、どの営業プロセスに問題があったのか、明確に分かるということでもあります。失敗した箇所が分かれば、そこだけ練習して修正すればいい。上司もそこだけ指導すればよいということになります。
私が保険の営業をしている時も、そのような仕組みが会社にありました。保険を販売する営業プロセスが明確に標準化されており、皆同じように営業活動をしました。そして毎週、営業プロセスごとの移行率を数値で提出していました。移行率というのは、前工程から後工程に何割が進むことができたかということです。
例えば、お客様とはじめてお会いするプロセス「アプローチ」が上手くいくと、次のプロセス「ヒアリング」に進みます。この時、アプローチしたお客様のうち何割ヒアリングできたかという数値を毎回提出するのです。営業プロセスは5段になっていて、最後は「契約」のプロセスになるのですが、次々プロセスを経るごとに数が減っていくわけです。
その減り具合をデータ化すると、私はどの営業プロセスでお客様の減り具合が大きいか、ハッキリ数値で表されます。つまりそこが私の苦手な箇所というわけです。
このようにデータで苦手なプロセスがわかるので、そこを強化した場合、その後の数字がどのように向上するかも予測が立ちます。つまり契約がどれだけ上がるか、かなりの確率で読めますので、売上計画も立てやすくなります。営業マンはもちろんですが、経営者にとっても売上の見通しが立つというのは、とても心強いことです。
それもこれも、すべて営業プロセスを標準化し、見える化した成果です。もしこれがなかったら、「行き当たりばったりの営業」、「感覚に頼る営業」になることでしょう。
良い時はいいですが、悪い時は何が悪かったのか?どこを修正すればいいのか?上司も何をサポートすればよいのか?誰もさっぱりわかりません。
このように営業標準プロセスを数値で表すことにより、個々の営業マンの弱点を強化し、営業組織全体のパフォーマンスを向上することが可能になります。
契約や売上はあくまで結果、過去のモノです。結果をどうこうしようとしても、もはや手遅れです。にもかかわらず、結果が思わしくなかった営業マンを叱責しても何も変わりません。
それより、営業プロセスに注目しどこを強化したらよい結果になるのか、考える方が合理的です。
営業標準プロセスが無い企業は、自社のオリジナルを作ってみられることをお勧めします。
営業プロセス、営業研修、経営戦略などにご興味ご関心のある経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。