台風とメーカーとリトルハイア

2020年9月7日 月曜日

早嶋です。

久々に九州に近づいた台風。気象庁の呼びかけにより、数日前から各々に台風に備えたのでは無いでしょうか。私もベランダの整理と植木鉢などの屋内への待機、非常食や何かあった場合の連絡先やルートの確認。停電になったことを想定した電気と水のアクセスに対してのシミュレーションを行いました。日頃から準備することの大切さを改めて考えました。

その中で、ジョブ理論のリトルハイアにフォーカスした情報提供があれば、その企業は認知度と販売後の顧客との関係を更に深めることができるのではとも感じた次第です。例えば。・・・。

◾トイレ
トイレメーカーは片手の数も有りませんが、「台風 トイレ」等のキーワードを入れても何ら対策など、ユーザー(消費者)が(多分)知りたいであろう情報を提供している企業はありません。あったとしても、その情報までリーチさせる工夫がほぼ無いよう思えました。

●停電になった場合のトイレはどうなるのか?
●その際に、何を準備しておけばよいのか?
●何かトラブルがあった場合、どこに連絡するのか?
等々です。

おそらく各社のサイトを調べると、どこかリンクが深い場所に情報があるのでしょうが、今は親指で検索して出てこなければ、存在していないかのごとく扱われると思います。

しかし、もしトイレメーカーが堂々とYoutubeやスマフォのサイトで情報を提供していれば、そのページのアクセスはかなり向上するでしょう。そして、それが購買後のケアに対しての満足度を向上することでしょう。

◾窓
窓ガラスや扉やドアに対しても同様のことが言えると思います。皆、ニュースを見ると養生テープを貼って、ダンボールをせっせと外の窓に貼っています。果たし目的は?とも思う風景です。

●窓ガラスはそもそも風で割れるのか?
●自分の家のガラスはどうか?
●参考までに調べる方法はあるか?
●対策を施すとしたら何をすると良いか?
●もし、窓ガラスが割れたら、どうすると良いか?
等々です。

窓ガラスに対しては、「台風 窓ガラス」などとぐぐると、メーカーのサイトが出てきて、PCでもスマフォでも対応しています。基本的な予防や注意点などがわかりやすく、かんたんに調べることができて、消費者は安心したのでは無いでしょうか。

現在、消費者が何かを調べる際は、圧倒的にスマフォです。20代から40代にかけては8割がスマフォをベースに情報を検索するとありますので、WEbページはPC用ではなく、スマフォで情報にアクセスすることを前提に作ると良いと思います。

ただ、ノートPCを使って調べる割合も一定数あります。特に60代以降はスマフォとノートPCを同じ割当で利用していますので、高齢者向けの情報はノートPCに誘導するか、普段からフマフォなどの活用を促す取り組みをするか、色々と企業として取り組めることが見えてきますね。

◾住宅メーカー
住宅メーカーや家や中古マンションを販売する代理店は、実は家のスペックを最も知っている企業です。台風の前に対して、現在、あなたの家の窓は○○の仕様なので、今回の台風によって、最悪○○のケースが考えられます。すでに、取り替えるなどはできないので、最低、○○のような準備をされてはいかがでしょうか?などと連絡するだけで、その企業の信頼度はぐっと上がることでしょう。そして。もし台風等の災害で何かあれば、当然にその企業に再びコンタクトがあるので、消費者にとっても安心ですし、企業にとっても次の事業につながるチャンスです。

◾車メーカー
これは車メーカーも然りです。数百万から1,000万近くする車を販売している企業は、少なくともユーザーがどのような場所に車を普段駐めているかを把握しておくべきだと思います。そして、何か災害があるような場合は、そのユーザーに連絡をしていて、そのエリアは○○の可能性があるので、最悪○○の被害がでますよ。その対象として、お客さんだったら○○するといいですよ。的な連絡を入れることです。

もちろん、全ては自分で行うことが当たり前の世の中ではありますが、個人がスマフォを持ち、必要なタイミングでコミュニケーションが取れる時代です。そのようなピシャリのタイミングで連絡がくると、顧客の脳裏にははっきりと記憶が残ると思います。もちろん、そのようなコミュニケーションもある程度機械じかけでできますので、消費者のことを慮る気持ちが少しあればできることです。

災害の時に、災害を意識した商品があれば、それを消費者の記憶にとどめてもらう。CMで何か流すよりも、目的意識がある時の情報提供がはるかに効果があると思います。ただ、トイレも、窓ガラスも直接メーカーが消費者に販売するわけではないので、最終的に顧客とのコミュニケーションが取れないものだと思っているのかも知れません。

情報化社会になれば、企業は中間業者の存在があっても、エンドユーザーと直接つながることは容易です。その工夫は、やはりメーカーがもっと考えて、リトルハイアにフォーカスした事業モデルにかえることが大切な方針だと私は思います。



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