早嶋です。
国家公務員の定員が2020年度末に30万人を超え3年連続で定員を上回ります。業務効率化を進める一方で働き方改革の一環として導入する育児休暇の導入や時短勤務を進めた結果、仕事が回らなくなりフォローする人員を増やしているという理由です。公務員の仕事の仕方が本当に効率的になにかに取り組む意識があるか、否かは別として、仕事を皆にわけ働き手を増やすことは良い方向性のようにも見えます。
日本は先進国からすると就業人口に占める公務員の割合が圧倒的に低いです。公務員とは公的機関に所属して職務を執り行う人を呼びますが、社会を維持するために公務を継続的に行うことは欠かせません。もちろん、公務員は公費で雇われるため経済観点で色々と議論の対象になります。
OECDの報告書、government at a glance 2017には雇用全体に占める公務員の比率を調査した資料があります。それによれば2015年時点の数字ですが日本は5.9%です。OECDの平均値は18.1%ですので少ないことが言えます。ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランドなどの北欧諸国は大きな政府の国で公務員比率も高いです。公務員として雇用することを福祉の一環として捉えているからです。
日本では行政改革の一環としてJTやJRやJPなどの公務組織の民営化が進められました。今後、日本は少子高齢化を迎え、確実に減少する労働人口で確実に増加する高齢者の面倒をみる必要があります。その一方で、介護や高齢者を支える仕組みは常に働き手が不足しており民営が行うと営利を追求するためサービスを受けれる人に偏りがでてきます。今生まれてくる子どもたちが10年、20年した時、彼ら彼女らは社会に出た瞬間から超赤字、超高齢者社会です。
そのことを考えたとき、今の仕組みが良いのか悪いのか。真剣に議論して明るい未来のために今からメスを入れることをはじめて行く必要があると思います。