高級白物家電の限界

2020年1月9日 木曜日

早嶋です。

白物家電の価格が上昇しています。日経新聞によれば10年前と比較して洗濯機は9割、エアコンや冷蔵庫は2割価格が上がっているようです。中国や韓国とテレビで競争している時に見向きもされなかった白物家電は今やメーカーの収益源になっているのです。

確かに得に洗濯機はドラム式洗濯機など高級路線に走っているメーカーが多く、家電量販店でも10万円後半の商品を多く見ますよね。白物が値上がりをしている中、テレビは反対に大幅に値段が安くなっています。10年前に比較すると5割下がっているようです。

これの違いは世界的な競争です。薄型テレビは国際競争にさらされ世界敵に価格が下がっているのです。そのため部品は汎用化され電源以外は世界共通。競合も中国メーカー、韓国メーカーなど非常に激しく日本のメーカーといっても技術優位に立てないため価格で勝負するしか無い業界になったのです。

白物家電が競争にさらされずむしろ単価が上がった理由は大きさと重さです。洗濯機や冷蔵庫は大きくて重たい。そのため完成品を輸入するコストがかさむことから海外勢が参入しにくかったのです。そこでガラパゴス日本の独特な品質追求のモノづくりが始まり、それが世界競争にさらされなかったのでメーカーは利益も確保し続けた。というのが背景です。更に国内の白物家電を作っていた東芝は一連の低迷で家電を整理した結果、パナソニック、日立、三菱などが大手として残り競争が緩やかになった背景もあると思います。

今後の白物はどうなるでしょうか?日本の可処分所得は低下していて白物家電の価格が高くなると、考えられるのは買い替えサイクルの長期化です。仮に価格が2倍になって、サイクルが2倍になったとしたら、人口は減っているのでメーカーは苦しくなります。実際、これだけ高機能が揃うとそろそろ天井を打ってもおかしくない時期かもしれません。

では、国産白物メーカーは、商品を海外にもって行けるか?ですが、難しいでしょう。一つは同じ理由で重さと大きさで、完成品を運ぶにはコストがかかります。もう一つは、機能が充実している高級白物家電を日本人は買いますが、海外、得にアジアの金持ちは白物家電を使わずに家政婦を雇っています。そのためわざわざ家政婦のために投資をしないため白物家電は日本独特の市場になっているのです。

大型白物家電の特需。令和になって緩やかに縮小することでしょう。



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