安いことはカッコイイ?

2007年8月30日 木曜日

早嶋です。

小さい頃、「安かろう、悪かろう」と言う言葉を頻繁に聞いた記憶があります。価格が安い品物は、性能も価格程度と相場が決まっていました。安いものを買うことは、何だか気まずい気持ちでした。

しかし、今はどうでしょう。少しでも安く品物を購入できたら、何だか、得した気分もしますし、買い物上手という気もします。何よりも、気の利いた買い物をした時は、人に自慢すらしたくなります。

安く買うことが恥ずかしくなくなった理由は、2つあります。1)価格の違いに対して、性能の違いが見えにくくなったこと。2)同じ品物であったら、何処で買った方が安いという情報が手早く入手できるようになったこと。です。

1)は消費者行動論でいうところの、Differencial Threshold(違いを認識できるレベル)が価格の違いがあっても見られなくなったのです。つまり、安いものと高いもので、認識できるほどの違いや実質的な差は無いと多くの人が感じているのです。おおくの商品が向上し、数円、数百円の価格差があっても、技術面、性能面、感情面に必ずしも差が無くなってきているのです。

2)は、ネットワークの発達が関係します。買い物するときに、セール情報を確認したり、クーポンを上手に利用したり、販促、格安スーパー、インターネット販売など、ありとあらゆる手段を自由に利用できるようになりました。

もう一つ理由を挙げるとしたら、3)消費の仕方が極端に変化したこと、でしょう。消費者行動論の教科書に良く出てきますが、「かつては、ビルの清掃員が品のあるところを見せようとしてキャデラックに乗ったものだが、今はメルセデスに乗った人が賢いところを見せようとしてターゲットで買い物をする」が良く言い表しています。

昔の安いものを買うは、それしか買えなかったから、と言うのが強いですが、今の安いものを買うは、スマートな賢い買い物をしている、というニュアンスもあるのでしょう。

必要な物や、感情に訴える消費は、それなりの金額を出します。しかし、安いものでも、ただ安いものは、今後売れなくなるでしょう。安くても、感情に訴える理由や、その人が満足する価格以外の訴求ポイントがない限り。



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