早嶋です。
従業員の満足度が現状よりも5%向上すると、その企業の経常利益が0.8%向上する。という研究成果を読んだ。確かに、仕事柄多数の企業、同じ業界で競い合う企業や業界は違うけれども同様の事業モデルでしのぎを削る企業と日々接している。
上記のレポートの感触はそうだと思う。ある一定規模になると社長一人の踏ん張りでどうにかなる規模の仕事ではない。やはり末端の従業員の一人ひとりが意義を持って取り組んでいる企業は業種業態に関係なく仕事が回っている。近年はESのことをエンプロイーエンゲージメントと称したりしている。従業員が如何に仕事に従事して成果を出すか。などの研究だ。
私は戦略を軸にコンサルをしているが業績が良く従業員が元気で離職が少ない企業に共通することは、以下、あるいは以下の複数を実現しようとしてる企業だ。
* 企業のミッション、つまり大義名分が明確で、標語として掲示されるだけではなく、常に仕事をする上での指針となるように、その意味や理解が浸透して行動のベースとなっている企業。
* そのミッションを実現するためのビジョンが長期で示されており、経営陣がその達成に対して動き、その達成が従業員や地域社会に対してハッピーだと浸透している企業。
* ミッション、ビジョンを基にマクロ環境やミクロ環境の合理的な分析を基に企業の方向性を明確に示している。そして、その方向性に向けてマネジメントは従業員と一眼となって取り組んでいる企業。
* 戦略を実現するためにマネジメントは全体の目標と自分たちの目標の両方を理解しており、かつ自分たちのチームにも断片的なKPIのみを示して管理するだけではなく、企業全体の方向性や戦略の整合性を常に示している。
* 企業の戦略と人事戦略が明確に紐付いている。人事が独り歩きせずに戦略を実現するための長期的な人事戦略が明確である。
* ここで意外と大切なのが、事業部のこと以外に、他の事業部や部署の取り組を従業員も概要レベルでも良いので把握しており、それぞれの部隊が戦略実現に向けて意味があることを知っている。
* 従業員の評価は透明で、なぜそのような評価になるのかを事前に従業員に示されている。また、戦略に紐付いているし、人事制度を通じて個人が成長できるイメージを従業員も認識している。
* 個人プレーよりも組織やチーム全体の信頼関係、協力関係で仕事をすることを称賛しており、実際に互いにフォローする風土がある、あるいは作ろうとしている。
* 経営陣やマネジメントと従業員の距離が近く、仮に遠くても、双方の声が直接聞こえるような仕組みをリアル・バーチャル関係なく仕組みを工夫している。
* 人材教育において、マネジメントの仕事として認識しており、上司は定期的に上述の話をしながら従業員の将来についても、あるいみメンター的な役割を担っている。
* 戦略や個人の成長を加味しながら従業員に自律的に取り組む制度や仕組みが工夫されている。
* 日常的に挨拶やコミュニケーションがある。
結局、多くの研究成果や書物では、ESを高める、エンゲージメントを高めるためには、以下アガポイントになると思う。
* ミッションの理解と浸透
* 従業員の安心と信頼
* 明確な組織体制と人事制度
* 従業員の仕事のインパクト(小さな仕事でもその意義を各々が理解している)