ITゼネコン

2007年8月2日 木曜日

早嶋です。

ゼネコンと言えば、建設業界が有名ですが、ITの世界にも存在します。通称、ITゼネコン。このITゼネコンは、いわゆる公共事業で箱物を作って、様々な問題を露呈したゼネコンよりも、最近はたちが悪いかもしれません。

ITゼネコンには、紙面で騒がれている年金システムを作ったNTTデータや富士通、日立、NECなどが相当します。ITゼネコンは、e-Japan構想に乗っかり、国から仕事を引き受け、作業を下請けに投げるという見方をすると建設業界のそれとにています。

日本企業のIT技術は進んでいますが、国家レベルのIT基板を見ると明らかに世界に遅れをとっています。その理由は、レガシーシステムを未だに温存している官公庁が非常に多いからです。そのため、何か手を加えるたびに時間とお金がかかり、その割には融通が利かないシステムが出来上がるのです。加えて、保守やメンテも構築者以外は、難しく、残っているドキュメントはお粗末なモノが多いです。このため、第三者に委託する場合は、誰も細部が分からない状況になっているため、構築者と随意契約が続き経費が増えていくというカラクリが出来上がっています。

この様になった理由はいくつかあります。1つは、ITリテラシーの低いお役所がITゼネコンの言いなりになってシステムを発注してきたこと。2つ目は、システムの発注単位が市町村単位で行われていること。これは、かなりシステムをややこしくしている原因です。

例えば、あるITゼネコンがA市とB市で投票システムを構築したとします。そして、C市からまた、投票システムを受注しました。ITゼネコンは、人口に比例した費用を請求するかもしれません。これに対して、ITリテラシーの低い役所は、そんなものかと、費用を支払うのです。もちろん、私たちの税金で。

しかし、普通に考えると、既に出来上がっている投票システムを初めからサーバーベースの拡張可能なシステムで構築しておけば、追加費用は殆どかからないはずです。ましてや、国が投票システムを1つ作りさえすれば、わざわざ各市町村がオリジナルで投票システムを作る必要なんかないのです。国が1つのシステムを構築しておけば、簡単にASPベースで提供できるからです。

これだけ、ITが進歩している世の中に、書類を発行してもらうにも、その場所にいかなければならない事が多いです。もし、国の基板システムが完全に統合していれば、家庭からネット越しに資料を取ったり、資料を提出することも可能です。選挙の投票だって、システムが統合されていれば、世界中の何処に至って、その人が投票できるようになるはずです。

皆さんはいかがお考えですか?



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