光触媒

2007年7月26日 木曜日

早嶋です。

光触媒って、ご存知ですか?抗菌タイル、自動車のボディーコート、曇らない鏡、雨水できれいになる外壁・・・。世の中を見渡すと実は光触媒を利用した商品がいろいろあります。光触媒は、NOxやSOxを取り除いたり、ダイオキシンを分解したり、シックハウス対策にも応用できるなど、環境対策としてもとっても期待されています。

現在実用化されている光触媒のほとんどが酸化チタンが原料です。酸化チタン光触媒の特徴は、太陽光や蛍光灯に含まれる微量の紫外線と科学反応を起こし、水や酸素を分解して活性酸素を作りだします。この活性酸素は強い酸化力を持っており、これが汚れやアンモニアなどの臭い、ホルムアルデヒドに代表されるアレルギー物質などの有害物質を吸着分解、酸化分解するのです。

光触媒が注目を集めたのは、1980年、当時は光触媒=水素を発生するという事から、次世代のエネルギーである水素を作る技術と言うことで脚光を浴びました。しかしエネルギー源としての話題はすぐに廃れたのです。と言うのも、酸化チタンを入れたフラスコに太陽光を1週間あてて集めた水素の値段が1円程度の量しか発生しなかったからです。

しかし、ここに発想の転換がありました。それが有機物の分解です。つまり、水素を発生する事から活性酸素に焦点を切り替えたのです。この頃から水処理や空気浄化などの研究が盛んになりました。

ただし、初期の段階では、物質を処理する事に注目が集まっていました。実際に、光触媒の技術を用いてゴキブリを分解すると言った研究が行われていたのです。しかし、2センチのゴキブリを分解するには1年の月日が必要でした。これでは実用化は難しい・・・また、壁にぶち当たります。ここで、2回目の発想の転換がありました。これまで、3次元に固執していたのを2次元で考えたら?物質そのものを分解するのではなく、材料の表面をキレイにするのなら実用化できるはず、と。

ゴキブリを分解できるのだから、トイレの黄ばみくらいはキレイになるでしょう、ということで90年代から2次元空間に研究対象が移行していきます。そして、2次元空間に発想をシフトしたことによって、光触媒を活用した製品が一気に広まるきっかけになったのです。

研究が進むにつれて、また、発見がありました。それは、酸化チタンをコーティングした材料の表面の水の濡れ性が高くなるということです。これは、簡単に言うと雨水などによって、簡単に汚れが洗い流されることです。

そうです、雨水によってセルフクリーニングされるので洗浄の必要がなくなるのです。となると、外壁や車のボディなど、あらゆるモノを光触媒で覆えばよいのです。これだけでも、市場規模が莫大なものになると考えられますね。ちなみに現在で500億円規模の市場といわれます。

光触媒の技術はとっても素晴らしいのに、わずか500億円の市場規模?と感じられたと思います。そうなのです、技術はとっても素晴らしいけど、光触媒は目に見えません。例えば、光触媒を壁にコーティングして、汚れは雨水で落ちるし、空気を浄化するので環境にも優しくて、清掃費用も下がって、ハッピーじゃんと考える事が出来ます。しかし、目に見えて変化するわけではないので、そこにコストをかけて投資をしようと考える人が少ないのでしょう。

となると、環境に優しく素晴らしい光触媒を世の中に普及させるためには、目に見える形で提案をする事が必要だと思います。さぁ、皆さんだったら、光触媒をどのようにプロモーションする方法を考えますか?



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