早嶋です。
日本のエンジニアリング会社がアフター・トランプからじわじわと海外案件から撤退しているニュースが目立ちます。それらの企業はlk屋内事業を中心に事業の選別を進めているようです。今朝の日経新聞では、
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・三井E&Sホールディングス(HD)は海外でのプラント建設事業から撤退
・IHIは米国の天然ガスプラント事業から手を引く
・千代田化工建設なども海外で巨額損失を出しており、各社とも財務の立て直しに当面専念
・東洋エンジニアリングも米国のエチレンプラントで採算悪化
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上記事例に共通する点は、受注時に想定できなかったことが相次いで起こっていることです。こと米国に対しては、移民既成が強く頼っていた労働力が不足していて、賃金が高騰しても、作業が進まない理由です。そして、アジア諸国でも技能労働者の争奪戦がはじまり、結果的にろう労働力の質の低下が進んでいます。
これまでそろばんを弾いていた管理者は、これらの事態をリアルに体験するまでに時間がかかり、将来のリスクを読み切れることが難しかったと思います。確実に、エンジニアリング業界にとってはリスク管理の手法を見直さざるを得ない状況になったのです。
今後は、中国企業が価格の安売りから技術力を身に着けた強みを活用して海外受注の事例を増やそうとしています。そして、ここに米国と中国の冷戦。グローバルでビジネスを行う地政学リスクやマクロ環境のリスクがここ10年で大きく激変しています。