早嶋です。
2017年4月から9月の上場企業の決算が揃いました。世界的な景気好調の裏には半導体特需、自動化投資、結果的に資源価格の回復が影響しています。従って、これら関連企業や業界は自ずと収益を伸ばしています。一方で人手不足が今年も顕著で結果的に業績回復を遅らせる企業もあります。
IoTの普及に伴いデータセンターの増設需要が湧く、結果、記憶媒体に必要な半導体メモリの需要が急増。半導体特需の背景です。
一方、世界中で人手不足が続きます。当然、資本は工場や作業の自動化に向けられます。自動化投資が加熱するのです。人手不足は生産性の向上にもフォーカスされるので、業務を支援する目的のシステムも受注が増加します。
3つ目の資源価格の回復。中国や東南アジアを中心に状況が回復。コマツなどの鉱山機械会社の4月から9月の純利益が好調です。とすると向こう1年くらいに実需に対してのプラスの影響が出るということです。資源の輸送需要は海運各社のビジネスを後押しします。少なくとも世界の景気は1,2年は上向くことが言えると思います。
一方で、ビジネスモデルの根幹に人手を伴う企業はそれに伴うコスト増で利益の伸びが鈍化しています。携帯販売などの窓口業務、ドライバー不足の運送業界とうとうです。
しかし、上記の半導体と自動化の波は、内需の人手不足にもやってくるでしょう。国内の小売や向上など、労働集約的な産業は数年から10年以内にAIやロボットの活用が広がり利益が圧迫されない状況が来ると思います。人手不足が続き、賃金が高騰するに連れて企業は投資の方向をまずは単純な作業の機械化、自動化に向けるはずです。
そうなると、人手不足で収益が鈍化している企業は業績が上がり、一方でそこであぐらをかいて、賃金の上昇を喜んでいた単純作業、窓口業務の方々は一気に仕事がなくなり企業の労働分配率が低下するというシナリオがやってくるでしょう。