経済原理の破壊

2017年9月29日 金曜日

「テーマパークで、キャストの仕事とトイレ掃除の仕事はどちらが時給が高いと思いますか?」

直感的に、キャストの仕事がテーマパークでは主なので高いと答えたくなるでしょう。しかし、実際はトイレ掃除です。理由は経済原理をベースに考えるとわかりやすいです。

人気のあるテーマパークでは当然、キャストの仕事に殺到します。少ない枠に対して人が多く集まると、採用する側が強気になれます。結果、時給が高くなくとも、意義ややり甲斐を感じる人が多く集まるため時給は高騰しません。

一方、トイレ掃除は総じて不人気です。テーマパークでも人が集まりにくいのです。そのため人材確保するためには時給を上げるしかありません。

この構図はマクドナルドのハンバーガーを見ても、荷物を運ぶ仕事を見ても、部屋の清掃する仕事にしても、コンビニにのレジ打ちにおいても同じ原理が働きます。人が嫌だと思う仕事、楽しくないと思う仕事、辛い仕事などは総じて働き手が集まりにくくなるため時給が高まります。

しかし、企業も対策を講じはじめます。利益を出せなくなるからです。すると、いつの日か革新が起き、人の手を使わないでも良い仕組みを考えたり、改善が生まれたり、自動化になったりと、その仕事自体がなくなるという日が来るのです。

それが今日明日か1年後かはわかりませんが、100年後には確実に残っていないと言う予測はできますよね。乱暴かもしれませんが10年から20年のスパンでも、きっと残っていない可能性が高いと言えるでしょう。人気がなくて、価値を生まない仕事は。

逆に、残る可能性があるとしたら、それがゲームや競技になる時です。例えば陸上って考えてみると全く意味がないですよね。ある距離を人間の力で早く走るということですから。昔は、飛脚などが長距離を短時間で走ることで商売が出来ていましたが、これは自動車や他の機械に置き換わりました。しかし、人間が娯楽目的でルールを規定して、その範囲内で争う形を取った瞬間、エンターテインメントとしての地位を確立しました。

レジ打ちをある一定のルールにもとづいて競ったら、そのチャンピオンの技はすごいでしょうね。トイレ掃除の究極を極めた人が集まって何かのルールにもとづいて掃除をしている風景は楽しいでしょう。

楽しくない、しかし経済合理性によって時給が跳ね上がる仕事は、標準化や合理化の対象、結果的に人間以外の手段で解決できる仕組みができ仕事そのものが無くなるという予測はできそうですね。



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