コミュニケーション媒体の変化

2017年9月28日 木曜日

企業の人材育成を生業の柱とするため、早嶋は、複数の組織、同様な階層を横串でかつ定点観測する機会が多くあります。その中で年齢層におけるコミュニケーション媒体の変化が急速に進んだ結果、多様なコミュニティにおける意思疎通に障害が出始めていることを感じています。

現在の若手社員である20代と40代オーバーの社員のコミュニケーションなどにそれが顕著に出ている現象を観察できます。現在の20代の社員は、与えられたことに対して完璧にこなし、対面で議論しても筋は通っています。しかし、少し前提が変わり、少し組織全体のことを触れたり、少し違う業界のことになった瞬間、思考停止状態になるのです。

そうなると口語でのやり取りが急に噛み合わなくなります。だからといって、理解が乏しいかといえば、違います。あとで、PCなどを使ってビジュアルで、あるいはテキストで整理してもらうと、案外と筋の良いレポートがくるのです。

逆に、40代オーバーの一般的な社員は、自分の考えを口頭で伝えるのは上手なのですが、それを文章や図に表すことがやや劣っていると思います。

この原因は、コミュニケーション媒体の変化が急速に進んだ結果ではないのか?と思います。1995年にウィンドウズ95が普及し、会社の情報が共通のプラットフォームで企業間を超えてもやり取りができるようになりました。しかし、コミュニケーションの主体は、まだ直接会ってリアルに行われるか、あるいは電話で行われることがメジャーでした。

2000年を境に、IT革命が始まり、2007年にスマート革命が始まります。そして、近年はあらゆる環境でネットワークにつながる状態が当たり前になりました。各個人は1台以上のなんらかのデバイスを保有していて、個人同士が気軽に親指一本でのコミュニケーションが可能になりました。したがって、前提が異なる人と直接話しをする機会がヘリ、ある程度、継続的に情報共有している人とのテキストによる会話が当たり前になっているのです。

そこに、異文化である40代、全く環境や文化が異なる上司や年上の経験豊富な部下と出会うと、急にコミュニケーションが取れなくなるのです。あくまで仮説レベルで、複数の企業にリサーチをかけている状況ですので100%正しいとは思っていません。

しかし、テクノロジーの変化にによるコミュニケーションのあり方を考慮してチームを作る、会議体を設計することは無視できなくなったのではないかと感じることが強くなりました。



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