早嶋です。
債権の株式化は、企業再建のための過剰な債務削減の1つの手法です。具体的には、金融機関などが企業向けの貸付金を株式に転換して企業の債務負担を軽減します。それぞれの立場における長所短所は次のようになるでしょう。
債務者としては、借入金が資本に変る上、有利子負債の軽減につながるため財務体質が改善することになります。
債権者にとっては、融資先の企業がうまく再生した場合、保有株式の価値が向上します。一方、企業再建が失敗した場合、保有株式の価値が低減するリスクもあります。
既存の株主にとっては、保有株式の価値が薄まることによって希薄化する問題があります。
経営再建中のJAL(日本航空)は、日本政策投資銀行やみずほコーポレート銀行など主力取引銀行に対して、優先株発行を行い、銀行にこれを引き受けてもらい、新たに入った資金を使って借入金の返済をする債務の株式化による支援を要請しています。
JALの07年3月末の有利子負債は約1兆7000億円。債務が優先株に替われば、有利子負債が減り財務体質を強化できると見込んでいるのでしょう。
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