既存事業が新規事業を開発するための心構え

2017年6月13日 火曜日

早嶋です。

多くの企業は成長を求めていますが、国内が成熟すると成長の方向性は、地理的にビジネスをずらすか、自社の強みを活用できる領域にビジネスをずらすか、全く多角化するしかありません。その際に、自前で行うか、資本を入れて行うかの手法が出てきます。

しかし、ここに落とし穴があります。新しい取り組みに対して、既存の組織で機能させようとする点です。更に、声では新しいこと、イノベーションと言っていますがそもそも新しい事業機会を見つける機能やそのチャンスを活用する機能が圧倒的に不足しています。

これまで組織の新規事業の育成やマネジメントにおいて携わった経験からいうと、社内で新規事業が育たない理由は以下のようなモノがあります。

1)そもそも挑戦する人、失敗した人が評価されないで、失敗しない人が出世する。
2)上司が自分のことを考えるあまり、部下に対して過保護になり、部下に挑戦をさせなくする。
3)机上の空論の計画に全エネルギーを注ぐが、実行に移さない。移すとしたら、驚くほど一気に大きな資本を投下して取り返しのつかない状況になる。
4)既存の評価ルールを当てはめ、新規事業においても短期的な評価を求める。
5)既存事業のように全てを把握しないと気がすまない。従ってリスクの洗い出しを徹底的に行わせ実行が伴わない。
6)結局は、新しい取組を組織的に潰してしまう。
です。

上記に対してメスを入れるためには、新記事業を生み出すという文化をそれを受け入れる体制が必要なのです。確かに、かつての日本企業はソニーの「自由闊達にして愉快なる理想工場」やホンダの「ワイガヤ」、サントリーの「やってみなはれ」的な雰囲気が蔓延して新しいことを行う取り組みがありました。

経営者として上記を確認することができたら、新しいビジネスを生み出すために、1)経営者のコミットはあるか?2)新規事業を生み育成する制度を整備する、3)そして全社員に新規事業の必要性や既存の事業との違いを理解して頂く、ことを考えると良いと思います。



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